文化 ふくろい 懐かしの風景(vol.29)

■佐藤商店(浅名)
静岡鉄道駿遠線は、昭和42年(1967年)8月22日まで、新袋井駅から新三俣駅(現在の掛川市)までの17・4キロメートルを走っていました。
駿遠線の車両には、客車と貨車の2種類があり、上りの貨車では、新横須賀駅(現在の掛川市)から主に米やムシロ・縄などのわら製品が袋井まで運ばれ、そこで国鉄(現JR線)の貨車に積み替えられていました。そして下りの貨車ではセメント・建材・燃料などが運ばれていました。
当時、現在の浅羽支所の近くに駿遠線の「浅名停留所」がありました。この付近はのんびりとした雰囲気の水田地帯で、ホームから西の方角を見ると田んぼの中に「三菱プロパン」「金物建材薪炭雑貨」と書かれた佐藤商店の看板が見えました。その頃の佐藤商店は、町役場への建設資材の納品や、薪や練炭などの各戸配達をはじめ、手広い商売をしていました。佐藤商店の扱う商品の大部分は駿遠線を使って運ばれてきました。この写真は、駿遠線の廃止の日に撮影されたものです。
※本紙掲載の写真をご覧ください。

問合せ:生涯学習課 文化財係
【電話】23-9264