文化 ふるさとの文化財

■第7回 身近な文化財

近年、人口減少や生活様式の変化などを背景に、地域の貴重な文化財や祭りなどが失われつつあります。市では、有形・無形の文化財をまちづくりに生かし、地域社会総がかりで文化財を継承していく一環として、文化財保存活用地域計画を作成します。6人の文化財保護審議委員が、身近な文化財を紹介します。

◆我が家に伝わる文化財
我が家には「浜名橋の木札」と代々伝わっているものがあります。縦20cm、横100cmほどの大変古そうなものです。「浜名橋」と呼ばれる橋は3つあります。1つ目は、平安時代に全国4大橋として『更級(さらしな)日記』や『十六夜(いざよい)日記』などにも記されている新居町日ヶ崎付近に架けられた「浜名の橋」です。橋は風雨や災害によって何度も修復され、明応の地震をきっかけに廃れていきました。2つ目は、明治時代、渡船に代わり新居と舞阪間に架けられた4つの木橋「浜名橋」です。木橋は「へなへな橋」と言われ、風雨に耐え切れず、何度も破損したり橋が落ちたりして、また渡船交通に戻りました。3つ目は、昭和7年にできた現在の鉄筋コンクリートの国道浜名橋です。我が家に伝わる「浜名橋の木札」は、これよりは古いと考えられますので、明治期の橋の木札(看板)かもしれません。

◆地元にある文化財を見てみよう
普段何気なく通り過ぎている橋ですが、同じ名称の浜名橋にも、時代や場所の違い、それぞれに湖西市を形作る歴史があります。文化財というと、お寺や博物館にあるものを想像しがちですが、私たちの身近にもたくさんの文化財が存在しています。新居関所史料館では、6月から身近にある文化財を気軽にご覧いただける企画展「わが家に伝わるモノ」を開催します。浜名橋木札や、新居や浜松の俳人の初公開資料を展示しますので、ぜひご来場ください。

(牧野 茂)

市内の文化財を紹介した冊子は市ウェブサイトで紹介しています。詳しくはこちら
※二次元コードは本紙14ページをご覧ください

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