- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県伊豆の国市
- 広報紙名 : 広報いずのくに 令和7年7月号
明治日本の産業革命遺産
~韮山~
8県11市にまたがる8エリア23資産からなる「明治日本の産業革命遺産製鉄・製鋼、造船、石炭産業」から、エリア3「韮山」を紹介します。構成資産は、伊豆の国市のシンボルである「韮山反射炉」です。
反射炉とは、石炭を燃やして発生させた熱や炎を炉内の壁や天井に反射させて一点に集中し、鉄を溶かすことのできる千数百度の高温にする金属溶解炉です。日本では、主に江戸時代末、西洋式の鉄製大砲を鋳造するために、各地に建設されました。
「明治日本の産業革命遺産」の構成資産には、韮山反射炉の他に、山口県萩市の「萩反射炉」、鹿児島県鹿児島市の「旧集成館反射炉跡」があります。いずれも産業分野では「製鉄・製鋼」、時期は1850年代の「試行錯誤の挑戦」に該当します。
韮山反射炉は、幕府直営の反射炉その241明治日本の産業革命遺産~韮山~として、韮山代官江川英龍の指揮のもと安政元(1854)年に着工。建設中、安政の大地震や責任者である英龍の死去などの困難に見舞われつつも、安政4(1857)年に竣工しました。操業中には、鉄製18ポンドカノン砲4門、青銅製野戦砲100門以上が鋳造されています。明治維新後は使われなくなり、荒廃してしまいましたが、地元の人々の保存運動により、明治41(1908)年に陸軍省による初の保存修理が行われ、その後複数回の大規模な保存修理を経て、平成27(2015)年7月8日、世界文化遺産に登録されました。
実際に稼働した反射炉としては、唯一現存する韮山反射炉。伊豆の国市を代表する文化財、そして世界遺産として、これからも末永く大切にしていきたいものです。
問合せ:文化財課
【電話】055-948-1428