- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県岡崎市
- 広報紙名 : 市政だより おかざき No.1437 2025年6月号
■本市初!瀧山寺鬼祭りが国の重要無形民俗文化財に指定
瀧山寺鬼祭り保存会(たきさんじおにまつりほぞんかい)
古くから伝わる農事を再現した「庭祭り」から始まり、クライマックスの鬼と鬼を追う松明(たいまつ)を持つ若衆が乱舞する「火祭り」が見どころの瀧山寺鬼祭り。この祭りは天下泰平や五穀豊穣を祈願する祭礼で、鎌倉時代、源頼朝が祈祷(きとう)したことが起源だと伝えられています。令和まで800年続く伝統の祭りが、「愛知県下で火祭りの形態をとる修正会(しゅしょうえ※)の鬼祭り唯一の伝承例で、三河地方における鬼祭りの地域的な様相や日本における民間信仰の変遷を考える上で重要」とされ、3月28日、国の重要無形民俗文化財に指定されました。瀧山寺の山田亮盛(りょうせい)住職は「地域で守り続けてきた祭りが認められ、大変名誉なことだと感じています。少しでも長く続けていきたいです」と、国の指定に向けて歩み出してから10年越しの想いを安堵(あんど)の表情で語ります。
瀧山寺鬼祭り保存会は滝町の住民からなる保存会です。国の指定に向けて取り組んだのは記録作成。市の報告書作成に協力し、有識者や学芸員と祭りの現況や歴史的変遷の調査を行いました。その後、準備から当日までの様子を映像で撮影し、将来への継承を図りました。鷲見滋彦(すみしげひこ)副会長は「私たちが変わらず続けてきたことを形に残していく作業でした」と振り返ります。
中根守久(もりひさ)会長は「次の課題は若い世代への祭りの継承」だと話します。保存会では約30年前から本番は見学しかできない子どもたちでも憧れの松明を持てる場づくりに取り組んでおり、ちょうど今、その頃の子どもたちが祭りを支える存在になっています。「国指定を受け、継承への想いも一層強まりました。これからも子どもの頃から祭りに親しんでもらい、将来の担い手になってくれるよう地域一丸となって取り組んでいきたい」と話す中根会長。瀧山寺鬼祭り保存会は名実ともに岡崎市の顔となった瀧山寺鬼祭りをこれからも守り続け、未来へと継承していきます。
※修正会…前年を反省して身を正し、新年の天下泰平や五穀豊穣を願う仏教行事