- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県瀬戸市
- 広報紙名 : 広報せと 令和7年5月号
《Interview》
名古屋鉄道職員
曽我 浩幸さん
「せとでん」は名鉄の中でも他の線とつながっているわけではなく、独立している、だからこそ乗務員同士はもちろん、乗務員とお客さんも含め「人のつながりが強い」と思います、と話してくださった曽我さん。
▽「せとでん」との関わりは
「せとでん」との出会いは高校生の時通学で使っていたこと。
高校卒業と同時に名鉄に就職し、最初は名古屋駅の駅員として仕事をしていました。その後瀬戸線の乗務員として約19年勤務。最初の2年ぐらいは車掌として、その後17年ほど「せとでん」の運転士を務めました。現在も名鉄で働いています。
▽「せとでん」120周年を迎えて乗務していた時の思い出は
乗車しようとした方がいた時に、閉まりかけていたドアを開けたところ、その方から「ありがとう」の言葉やジェスチャーをいただくなど、人の温かさを感じることが「せとでん」らしいな、と印象に残っています。瀬戸線の乗務員をしていた時は、栄、大曽根、瀬戸と走るにつれて風景がだんだん変わっていくことも、印象に残っています。「地下から街に出て、住宅街を経て原野を走る…」なんて電車はなかなかないんじゃないかな。(現在は住宅が増えましたが…。)
そして、「せとでん」は車両が、緑、赤、シルバーと変わり、現代的な車両となった今でも「せとでん」の愛称で親しまれているあたり、キャラクターやマスコットのようだなと感じます。ほかの電車ではこういったことがあまりないですよね。
▽「せとでん」、瀬戸市のこれから
「昔ながらの街並み」、「瀬戸焼」、「せとでん」、この3つを活かした「せとでん」らしくコミュニケーションが生まれるまちづくりを期待します。これからも「せとでん」が残っていってほしいですね。
■名鉄瀬戸線120周年記念トレイン運行
かつて名鉄瀬戸線を運行していた車両の写真で装飾した「名鉄瀬戸線120周年記念トレイン」を1編成(4両)運行します。
運行期間:~6月30日(月)(予定)
「4月12日(土)記念トレイン出発式が行われました。」
鉄道愛好家
山田 司さん
中学校時代から電車の写真を撮られている山田さん。
▽「せとでん」のいいところは?
「せとでん」の沿線をカメラを構えて歩いていると、「いい写真撮れたか?」と電車から車掌さんが声をかけてくれることもありました。現在のように乗務員室が扉で遮られていない時代、毎日通学で乗っていると乗務員さんと顔なじみになり、仲良くなりました。
「せとでん」は乗務員さんや駅員さんとお客さんの距離が近いアットホームな雰囲気が持ち味でしたので、これからもそうあって欲しいと思っています。
▽思い入れのあるシーン、写真はありますか?
1枚は、大津町駅を上から撮った写真。何気なく撮った写真ですが、「鉄道風景カレンダー」の写真として選んでもらったり、今は貴重な資料として考えてもらえるのが嬉しい。
もう1枚は、後々仲良くなった車掌さんに声をかけてもらった日の写真。手動でドアを開閉する車両の最後の頃。その電車の写真を撮りに行ったら声をかけてもらえた。1973年8月8日、日付もしっかり覚えています。
▽これからの「せとでん」に期待することは
主に通勤電車として活躍している「せとでん」は、走っている車両がすべて同じ形態。その中に1本だけでも観光列車のような、休日にゆったり乗れてワクワクして瀬戸に来られるような電車があったらいいな、と思いますね。「お堀電車」が走っていた、ということも私たちの世代が伝えていかないと忘れ去られてしまう。こんな風景があったんだよということを次の代に伝えていくことも役目だと思っています。「せとでん」という愛称もこのまま残ってくれると嬉しいですね。
■瀬戸蔵ミュージアム瀬戸電開通120年記念特別企画展
『せとでんやきものの街・瀬戸と歩んだ120年』(8月24日(日)まで開催中)
時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:5月26日(月)、6月23日(月)、7月28日(月)
入館料:一般520円、65歳以上・高大生310円
※中学生以下・妊婦・各種障害者手帳をお持ちの方(ミライロID可)は無料