くらし 【特集】知ってほしい、中央図書館のこと(1)

平成11年に開館し、多くの方に利用されている豊川市中央図書館。本の貸し出しや、調べ物のサポートの他、利用者が図書館や本を快適に使えるよう、さまざまな取り組みを実施しています。
今回の特集では、皆さんにまだまだ知られていない中央図書館の一面を紹介します。詳しいことは、中央図書館へお問い合わせください。
【電話】0533-85-5536

■図書館の裏側
45万冊にも上る、中央図書館の蔵書。これほど多くの本を快適に読めるように、図書館の見えないところで仕事をしている人たちがいます。

◆本の修理ボランティア
図書館の本は、多くの人が借りるため、破れてしまったり、ページが外れてしまったりするなど、貸し出しできない状態になることもあります。それらの本を直しているのが、本の修理ボランティアです。本の修理ボランティアは、中央図書館で行っている修理本ボランティア養成講座などで必要な技術を学び、活動しています。令和6年度は、4011冊もの本を修理。大切な資料を守ってくれています。

◎10月26日(日曜日)に開催する秋の図書館まつりでは、本の修理ボランティアによる家庭の本の簡単な修理をしてもらえます。

《本の修理ボランティア 中西三夫さん》
修理本ボランティア養成講座をきっかけに、10年前から本の修理を始めた。壊れても修理して大事に使っていくことの大切さを伝えたいと、活動を続けている。

◇本の修理作業ってどんなことをするの?
1、最初に本の「修理カルテ」を作成します
壊れ方によって、修理の方法を考えます
2、無水アルコールを使って、硬い表紙とほんもん(書物の本体)を分離します
3、糸が切れたところを、針と糸で縫い直します
4、本を固定し、背にやすりをかけ、古いのりをとります
5、背表紙とほんもんの間に貼り付けるクータと呼ばれる紙を作ります
クータは、本を開きやすくするためのもので、修理する本のサイズに合わせて作成します
6、クータをほんもんの背に貼ります
7、表紙とほんもんをのりで接着します
8、しっかりくっつくように固定し、乾かします
9、最後に表紙と背表紙をメラミンスポンジでクリーニングします
完成!!

たくさんの工程を経て再び読めるようになった本。大切に読んでもらえるとうれしいです。

◇特別整理期間は何をしているの?
利用者が読みたい本を確実に探せるよう、所定の位置にあるか、本が紛失してしまっていないかなどの点検を行います。全ての本について確認するため、10日程度の休館となります。令和7年度中央図書館では、11月10日から19日の日程で行います。

■図書館で読書のバリアフリー
中央図書館では、視覚に障害がある方や、寝たきり・高齢などにより活字を読むことが困難な方でも読書を楽しんでもらえるよう、さまざまなサービスを提供しています。

◇デイジー資料
デイジーは、活字を読むことが困難な方のためのデジタル録音図書です。デイジー資料を聞くためには、専用の再生機、または専用の再生ソフトをインストールしたパソコンやタブレットが必要です。専用再生機の貸し出しについては、ご相談ください。

◇豊川市電子図書館
パソコンやスマホなどを使って、電子化された本を読むことができるインターネット上の図書館です。文字の大きさや色の変更、縦書き・横書きの選択、自動でページをめくる機能、読み上げ機能を使うことができる資料もあります。利用には登録が必要です。

◇大活字本
大活字本とは、文字の大きさや行間を大きくし、フォント(文字の種類)を工夫して、読みやすくなるように作り直した本です。本の内容は、通常の本と同じです。

■本は楽しい!面白い!
子どもたちに図書館や読書の魅力を知ってもらうための取り組みを行っています。

◇子ども司書養成講座
小学4から6年生を対象に司書の仕事を学ぶ、子ども向け講座を開催しています。司書の仕事や図書館に関する講義、カウンターでの接客などを行います。
(注記)令和7年度の事業は終了しています。

◇マイブックプロジェクト
中学2年生が自ら書店で本を選び購入することで、読書に関心を持ってもらうための取り組みです。「図書購入券」で購入します。