健康 ~小牧市民病院より~ 健康通信

■新生児集中治療室(NICU)
小児科 部長医師:廣岡 孝子

◇新生児集中治療室(NICU)について
当院には、NICU(Neonatal Intensive Care Unit)が4床、GCU(Growing Care Unit)が6床あります。
NICUは文字通り、集中治療が必要な新生児のための病棟です。早産や低出生体重の赤ちゃん、呼吸のサポートが必要な赤ちゃん、生まれつきの疾患を持つ赤ちゃんを治療するための特別な場所です。
GCUは、新生児回復室、継続保育室、発育支援室とも呼ばれ、NICUでの集中治療を終えた赤ちゃんが、退院に向けて自力で呼吸や栄養摂取ができるように、体重や週数が増えるのを待ちながら成長を支援するための病棟です。

◇当院NICUの現状
当院NICUの現在の入院基準は、在胎30週以降37週未満の早産、出生体重が2200g未満、出生後に治療やケア、経過観察が必要な赤ちゃんです。最近5年間では、年間約170~200人の赤ちゃんが入院されています。院内出生は80~85%で、15~20%の赤ちゃんは近隣の産科クリニックや病院で出生し、当院へ新生児搬送されます。治療が必要な赤ちゃんが生まれ、当院へ搬送依頼がある場合、搬送用保育器を救急車に載せて、当院の小児科医師が依頼元のクリニックや病院へ赤ちゃんをお迎えに行きます。そこで必要な処置を行い、保育器に収容して搬送し、NICUに入院となります。この新生児搬送の依頼には、昼夜を問わず24時間対応しています。
重症新生児仮死で脳低体温療法が必要な場合や、より高度な治療や手術が必要な赤ちゃんは、当院からさらに高次医療機関へ搬送されます。

◇産前訪問
当院での出産を予定されている方で、出産後に赤ちゃんがNICUに入院することが予測される場合には、ご希望があれば産前訪問(Prenatal visit)を行います。小児科医師とNICU看護師が伺い、出産からNICU入院までの流れや、NICUで行う治療やケア、退院までの期間について詳しく説明します。
またNICUの見学もしていただけます。

◇入院後の赤ちゃんやご家族へのケア
入院した赤ちゃんの治療はもちろんですが、ご両親には退院までに育児に関する基本的な(授乳、沐浴、おむつ替えなどの)ご指導を行います。退院後は当院小児科外来で赤ちゃんの発育や発達を健診で確認していきます。また、必要に応じて退院支援や保健センターとの情報共有、在宅医療が必要な赤ちゃんには訪問看護や訪問医へのご紹介も行います。

◇地域周産期母子医療センターとして
当院は、地域周産期母子医療センターとして、より安全な出産をサポートするために、治療やケアが必要な妊婦や新生児を受け入れています。少子化が進む中でも、不妊治療技術の進歩や治療助成、保険適用の拡大などの影響により、当院に入院する新生児はむしろ少し増加しているのが現状です。
満床などの理由で新生児搬送をお断りすることがないよう、近隣の産科クリニックや高次医療機関(大学病院や総合周産期母子医療センター)との連携を強化しています。産婦人科医師、小児科医師、助産師、看護師などのスタッフは、地域周産期母子医療センターとしての役割を果たすため、日々診療に取り組んでいます。

・病院ホームページ
※二次元コードは本紙参照

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【電話】76-4131