健康 市民病院発 ほのか診察室 201話

■帯状疱疹(たいじょうほうしん)について
監修:市民病院 皮膚科 島田 信一郎(しまだ しんいちろう)医師

◇帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる皮膚疾患です。初めてこのウイルスに感染すると水ぼうそうを発症します。このウイルスは、一度感染すると生涯体内に棲み着いてしまいます。そして、免疫力が低下した際などに体内に潜んだウイルスが再活性化することで帯状疱疹を発症します。
特に、50歳代から発症率が高くなり、80歳までに3人に1人が発症する、決してまれではない病気です。時に痛みが長期にわたり、生活の質が大きく低下してしまうことがあるため、対策法を十分に知っておくことが大切です。

◇症状
帯状疱疹の発疹は、体の片側のみに帯状にみられることが特徴です。そして、多くの場合、発疹の周囲に痛みを伴いますが、発疹が出る約1週間前から痛みが先行して生じることがあります。発疹が出ないと帯状疱疹の診断ができないため、痛みが先行する場合は原因不明の痛みとして経過をみます。
帯状疱疹において最大の問題は痛みです。発疹は1~2週間で改善することが多いですが、その後も痛みが続いてしまうことは少なくありません。特に高齢者は痛みが残りやすく、約3人に1人は3カ月以上痛みが続き、10人に1人は1年以上痛みが続くといわれています。

◇治療
帯状疱疹の治療の主な目的は、いかに長期の痛みを残さないようにするかです。そのためにウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬、痛みに対しては痛み止めの飲み薬で治療を行います。可能な限り早期に治療を開始し、痛みも十分にコントロールした方が痛みは残りにくいと考えられています。そのため、帯状疱疹を疑うような帯状の痛みを伴う発疹をみつけたら、早期に医療機関を受診することをおすすめします。
しかしながら、帯状疱疹の痛みに対し、万人に有効な治療薬はなく、十分に治療を行っても長期に痛みが続いてしまうことは少なくありません。そのため、事前の予防を行うことが最も大切だと考えられています。

◇予防
現状で帯状疱疹の痛みに最も有効なのが帯状疱疹ワクチンです。
ワクチンを接種することで、帯状疱疹後の痛みを約9割抑えられると考えられています。
そのような現状を鑑み、新城市では令和5年8月から帯状疱疹ワクチン費用の助成を行っています。また、この4月からは定期接種が行われることとなりました。
対象の方は、接種方法や費用など市からの案内をご確認ください。
現在2種類のワクチンがあります。ワクチンで生じうる副反応や費用を総合してご検討ください。
(本紙28ページ参照)

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