- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県新城市
- 広報紙名 : 広報しんしろ ほのか 令和7年8月号
■排泄でお困り事はないですか?~排尿障害~
監修 市民病院 4階病棟
排尿障害には尿失禁・排尿困難・頻尿があります。その中でも尿失禁についてお話します。
膀胱の役割は腎臓で作られた尿を一時的に溜める働きと、尿意を感じて尿を体の外に排出する働きがあります。
通常、成人で150~200ミリリットル程度溜まると尿意を感じ、300~500ミリリットルまで溜めることができます。尿を溜めている間は膀胱の筋肉は緩み、尿道が締まることで尿が漏れ出てしまう事を防いでいます。
そして、排尿できる環境になったとき、脳からの指令が膀胱に伝わることで、尿道が緩み膀胱が縮んで排尿することができます。
◇尿失禁の4つのタイプ
・腹圧性尿失禁(ふくあつせいにょうしっきん)
咳やくしゃみ、運動や重い物を持つなど腹圧がかかったときに尿が漏れます。40歳以上の女性の3分の1~2分の1が経験しているとされています。
妊娠や出産で骨盤底を構成している靱帯や筋肉群が緩んだり、弱くなったりすることが主な原因です。また、体重増加や便秘、重労働、喘息など呼吸器の病気により咳が多い方などで、腹圧がかかって、骨盤底に負荷がかかることも原因となります。
治療は、骨盤底筋訓練、体重を減らすなどありますが、失禁量が多い場合は手術も考慮されます。
・切迫性尿失禁(せっぱくせいにょうしっきん)
急に強い尿意を感じてトイレに間に合わず尿が漏れてしまいます。水の音を聞いたときや水仕事をするとき、帰宅してドアを開けようとするときなどに起こります。
主な原因は加齢、骨盤底機能の低下ですが、脳血管障害や脊髄疾患など神経の病気で起こることもあります。
治療は、排尿日誌の記載やカフェイン摂取制限、尿を我慢する膀胱訓練、骨盤底筋運動、薬物療法があります。
・溢流性尿失禁(いつりゅうせいにょうしっきん)
膀胱内の尿をうまく排出できず、残尿が増え膀胱からあふれでてしまう尿漏れです。
治療は排出障害を改善させる薬物療法や尿道からカテーテルを挿入して人工的に尿を排出させる導尿などがあります。
・機能性尿失禁(きのうせいにょうしっきん)
排尿機能自体に問題はなく、身体運動機能の低下や認知症などでトイレに行くことができず、漏れてしまう状態のことです。リハビリや介護など、その方の状態に応じた対応を行います。
尿漏れの症状があっても運動や、日頃の生活を見直すことで改善されることもあります。それでも困ってしまう時には医療機関へ相談することをおすすめします。
◇骨盤底筋運動の簡単なやり方
(1)排尿を途中で止める
尿を少し出した後、排尿を止めてみてください。途中で尿を止められたら、正しく骨盤底筋を収縮させることができています。
(2)肛門を意識する
肛門をギュッと締める動作を意識してください。もし体の中へ肛門をすぼめる感覚があれば正しく骨盤底筋を収縮させることができています。
ポイント
・呼吸を止めないよう自然な呼吸を意識しましょう。
・継続して毎日続ける事が大切です。
問合せ:市民病院(代表)
【電話】22-2171
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