くらし Obu Year in Review 2024(1)

■認知症になっても安心して暮らせるまち
≪認知症を理解し、気軽に手を取り合うまちに≫
平成29年12月、市が全国に先駆けて制定した「大府市認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」。
認知症に対する正しい理解を深め、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを進めている。

○全国初!認知症ヘルプマークが登場
8月23日に「認知症ヘルプマーク」のデザインを発表した。認知症の当事者が身に着けるマークで、周囲の人々が気軽に手を差し伸べられる支援の輪が、全国に広がることを期待している。全国からデザインを募集し、293点の応募があった。
採用された作品を制作したのは、日本デザイナー芸術学院3年の牧野さくらさん。地元で行方不明になった認知症の方を捜索する町内放送を耳にした経験から、当事者と周囲の人が手を取り合い、みんなで支え合う社会をイメージして制作された。

○認知症を体験して理解する
「認知症世界の歩き方」
1月1日施行の「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」で制定された「認知症の日(9月21日)」に合わせ、認知症の実践型ワークショップイベント「認知症世界の歩き方」を開催。認知症の方が生きる世界や見ている景色の体験のほか、対話で生活環境を改善するスキルを学ぶ実践型ワークショップなどが行われた。

○早期発見で不安軽減
10月から「大府もの忘れ検診」を開始。65歳以上の市民と若年性認知症と診断された市民を対象に認知症の検査費用を助成する。

○大府の魅力、全国に届け
『忘れっぽいハムレット』
11月9日、テレビ東京系列全国ネットで、ドラマ『忘れっぽいハムレット』が放送された。軽度認知障害(MCI)と診断された祖父と異変に戸惑う孫娘が、互いに支え合いながらハムレット公演に挑む物語。市民などによる文化芸術活動の振興を図るとともに、市の魅力を広く発信するため、テレビ愛知(株)のドラマ制作に市が協力したもの。全て市内で撮影され、市ゆかりの俳優の鈴木林蔵さん・土田英生さん・市広報大使の清水くるみさんらが出演。医療監修を国立長寿医療研究センターが行った。

■木とともに
○木育キャラバンinおおぶ初開催
8月3・4日、東京おもちゃ美術館監修の移動型おもちゃ美術館「木育キャラバン」を開催。積み木やパズルなど300点以上の木のおもちゃを用意し、こどもたちが自由に遊んだ。
市は、創造力と感性を養う「木育」を推進し、令和9年開館予定の「おもちゃ美術館」の整備を進めている。

○長野県王滝村・木曽町と連携
長野県王滝村・木曽町と締結した「水源の森林の保全・育成に関する連携協定」に基づき、市と脱炭素経営に取り組む市内企業が、両町村の※J-クレジットを購入する予定。

○王滝村産材の木製ロッカー設置
市内小学校の老朽化した教室内のロッカーを、王滝村産の木材を使用したものに更新した。

※J-クレジット
温室効果ガスの排出削減・吸収量を「クレジット」として国が認証する制度で、排出側と吸収側で取引することができる。

■育む未来
≪こどもの笑顔、みんなで支えます≫
市は、こどもの育成にまつわる多くの段階で家庭を支える「おおぶこども輝く未来応援八策」を展開している。

○子育て世帯の生活を応援
1月、市内中学校の学校給食費を無償化。4月、こども家庭センターを開所。さらに、新たに生後8カ月児を対象にした保健師による「こんにちは赤ちゃん訪問」と、拡充した産後ケア事業を開始。
6月3日から、就労要件を問わず月に一定時間利用できる、新たな通園制度「こども誰でも通園制度」を、ビオーズよこね保育園(横根町)で試行的に開始。
11月から、市が事業費の一部を補助する新たな施設型病児・病後児保育施設「どんぐり」が、共和病院の敷地内に開所した。

■選ばれるまちおおぶ
≪未来をつくる施策、多くの指標で評価≫
○100年後も残るまち
4月、市は『地方自治体「持続可能性」分析レポート』(人口戦略会議発表)において、全国1729の自治体のうち、上位4%の「自立持続可能性自治体」に分類された。また『人口動態保健所・市町村別統計の概況(平成30~令和4年)』(厚生労働省発表)によると、合計特殊出生率が県内2位の1・71を記録した。
子育て施策の充実や区画整理事業、公園整備による良好な住環境の創出、安定して働くことのできる場所の確保など、バランスよく政策を進めてきた成果が表れた。

○地価上昇率が県内で1位に
9月に『令和6年都道府県地価調査』の結果が公表され、市は、住宅地・商業地の平均変動率が県内で1位になった。交通アクセスの良さ、公園・医療施設・子育て支援が充実していることなどが評価された。

○市のまちづくりの基本理念「健康都市」に高い評価
9月、第10回健康都市連合国際大会で、市制施行以来、進めてきた健康都市への取り組みが評価され「グッド・ダイナミック賞」を受賞。「10カ月児食べる機能健診」「こどもの近視予防プロジェクト」など、多様な部門と連携した政策の実践が高く評価された。
10月、日本健康会議2024「健康でいられる地域・まちづくり表彰〈官民連携分野〉」において、市内企業と連携した「ゴールデンクラブおおぶ」の会員拡大の取り組みが、優秀賞を受賞した。
11月、「マニフェスト大賞」で優秀賞を受賞。徹底した現場主義で政策を推進し、認知症施策などが市から国・県・他自治体に広がっていることが評価された。

■地域にひろがる 多彩なまちの魅力
○充実する憩いの場
3月、新たな憩いの場「矢戸川竹林の小径(こみち)」が完成。
4月、「白は池」周辺へのフットライトの設置後初のサクラ開花を迎え、新たな夜桜スポットが誕生した。
「全世代型サロン」が、公民館や企業で新たに3カ所開所し、市内で合計7カ所になった。

○地域と育む有機の魅力
4月から、年間を通して技術を学ぶ「有機農業担い手育成講座」が始まった。6月、「オーガニックライフスタイルEXPO」(京都市)に参加し、取り組みを全国にPRした。
6月、有機農業とスマート農業技術を取り入れた「おおぶニック学校給食米」の栽培実証を官民連携で開始。10月に収穫し、11月下旬から市内小・中学校、公立保育園の給食で新米を提供した。11月22日、「大府市オーガニックビレッジ宣言」を行った。