- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県大府市
- 広報紙名 : 広報おおぶ 2025年8月1日号
市内の空き家率は、10.9%(2023年度 住宅・土地統計調査)。10軒に1軒が空き家となっており、昔からの住宅が集まっている地域では少しずつ増えています。今後、核家族の増加・少子高齢化に伴い、空き家の問題はもっと身近になるかもしれません。
放置された空き家は、防災・防犯・衛生面など、さまざまな面で周辺に影響を与えることがあります。お盆休みなど、家族・親戚が集まる機会に、実家・住まいのことを話し合ってみませんか?
■空き家のリスクを知っておこう
空き家は個人の財産であり、所有者・管理者は、適切に管理する責任があります。空き家を適切に管理せずに放置すると、建物の劣化が進み、防災・防犯・衛生面などの問題が発生する恐れがあります。
○老朽化による倒壊の危険
使われていない建物は、急速に老朽化が進みます。外壁などの落下・倒壊で、死亡事故・人身損害が発生する可能性が高まります。
○治安悪化
壊れた窓などから、不審者が侵入・滞在することがあります。
青少年のたまり場や違法行為の温床になることも。
○放火による火災
管理が不十分だと放火のリスクが高まります。延焼した場合、放火が第三者によるものであっても、所有者の責任が問われることがあります。
○生活環境の悪化
草木の生い茂りや不法投棄により害虫・害獣のすみかになります。そのまま放置していると景観の悪化・悪臭の発生など、周辺の住民に迷惑が掛かるかもしれません。
◆〔要注意!〕『特定空家等・管理不全空家等』に認定されるかも!
空き家が周辺に悪影響を与えている場合、市はその空き家を「特定空家等・管理不全空家等」に認定し、改善のための指導などを行います。
○〔さらに要注意!〕それでも放置を続けてしまうと…
・固定資産税の特例が適用されなくなり、土地の固定資産税額が上がります(最大6倍)。
・命令に違反すると50万円の過料が科される可能性があります。
・最終的には行政代執行で解体される可能性も。
かかった費用は所有者が全額負担することになります。
※命令・行政代執行は「特定空家等」に限ります。
■空き家になる前に
空き家の発生原因の多くが相続によるものです。将来に備え、親族間で住まい・財産のことを話し合うことが空き家の発生を防ぐ第一歩につながります。
○住まいの終活に、「さくらノート」「住まいのエンディングノート」を作成しましょう
親族間で住まい・財産のこれからについて話し合う場を設け、遺言書の作成・生前贈与の方法などを検討してみませんか。市独自のエンディングノート「さくらノート」や国土交通省が公開している空き家に特化した「住まいのエンディングノート」を作成し、残された家族に自分の意思を伝えることができます。
また、自宅を担保にお金を借りる「リバースモーゲージ」の活用も選択肢の一つです。自宅に住み続けながら借り入れができ、返済は契約者の死亡後に自宅の売却などによって行われます。老後の生活費や住宅の改修費用など、幅広い用途で利用することができます。
■もし空き家になってしまったら
人が住まなくなった家は老朽化が進み、価値が低下します。早めに「売却・賃貸」「解体」「管理」を検討しましょう。
○売却する
売却し、次の所有者に活用してもらうのも方法の一つ。不動産業者に相談してみましょう。
○賃貸する
不動産業者に仲介を依頼するのが一般的です。まずは、不動産業者に相談し、どんな用途で貸すかなどを検討しましょう。
○解体する
空き家を解体して、跡地を駐車場・貸地にすることもできます。解体業者・建築士に相談してみましょう。
○自分で管理する
空き家を使う予定がある場合は、定期的な換気・掃除、庭木・雑草の手入れをおすすめします。自分で管理できない場合は、民間の空き家管理サービスなどを利用しましょう。
◆市がなんとかしてくれる?
いいえ、問題の解決は所有者が行うものです
草木の生い茂りや建物の一部破損など、周辺に影響が出ている空き家について、市へ多くの相談が寄せられています。市では、空き家の状況を確認した上で、必要な対応を所有者へ働き掛けています。「売りたい・貸したい」「解体したい」「管理したい」といった悩みに対する相談・補助制度を設け、支援しています。