- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県尾張旭市
- 広報紙名 : 広報おわりあさひ 2025年6月号
急病や交通事故などの非常時に頼りになる存在の救急車。本市では東海地方初となる、新たな仕様の救急車を導入しました。また、併せて「電動ストレッチャー」も新たに配備しました。今回は、そんな日々の安全・安心な暮らしを支える救急車と電動ストレッチャーを特集します。 ID:44135
■新たな仕様・特徴
・車内スペースを拡張し、救命活動の可能性を拡大
・救急隊員が必要とする安全性と使いやすさを追求
・電動ストレッチャーの搭載を可能にし、女性隊員の活躍を拡大
・隔壁の設置や空気を循環させることで感染症対策に配慮
○INTERVIEW 救急隊員に聞いてみた!
消防署 山口消防士
Q 新たな仕様の救急車を導入した理由は?
A 新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経験し、感染症対策の重要性を痛感しました。新たな仕様の救急車では、外に空気が漏れないように中の圧力を低くしている構造のため、外部への感染リスクが大幅に軽減されます。
また、電動ストレッチャーの配備や同乗者に配慮した自動格納式ステップなどの機能により、より安全・安心な救急活動が可能です。
Q 実際に使用してみた感想は?
A 独自開発された板バネなどにより従来の救急車より車内の振動が少ないと感じています。
また、車内空間が広いため、救急車内で行う心肺蘇生などの処置を円滑に実施することができます。
■新仕様を紹介!
POINT01
両側アプローチ
活動スペースの拡張により、傷病者の両側からアプローチが可能
POINT02
2段ステップ
2段ステップを搭載したことにより、同乗者の負担を軽減
POINT03
電動ストレッチャー
注目を集める電動ストレッチャー。詳細は、本紙6ページで
POINT04
赤色灯
車両側面にも設置され、360度どの角度からでも見やすい
POINT05
独立式メディカルシート
3点式シートベルトと座面跳ね上げ機能により、救命活動の安全と活動スペースの確保を両立
POINT06
隔壁・空気循環
運転席と患者席を隔てる壁や車内における空気の循環に配慮することで、隊員と同乗者の感染症対策を実施
■より安全に運び より安心して乗ってもらえる
大注目の資器材 電動ストレッチャー
必要性を多くの自治体が感じている中、全国的に導入が少ない電動ストレッチャー。導入による、救急隊員の負担軽減、女性救急隊員の活躍推進などが期待されており、本市では新車両に合わせて初導入しました。
○消防本部の電動ストレッチャーの導入状況(令和6年8月1日時点)※
1.導入している 8.2%
2.導入を予定している 20.8%
3.導入について検討した結果、必要性は感じているが、導入予定はない 43.3%
4.導入について検討した結果、必要性は感じておらず、導入予定はない 8.8%
5.導入について検討しておらず、導入予定はない 14.6%
6.その他 4.3%
電動ストレッチャーを導入しているのは1割未満
○電動ストレッチャーを必要とする理由(令和6年8月1日時点)※
上記で「導入している」と回答した消防本部が複数回答
※出典「救急救命体制の整備・充実に関する調査」及び「メディカルコントロール体制等の実態に関する調査」(消防庁)
Q 電動ストレッチャーのメリットは?
従来のストレッチャーは、全て人力で操作するため、救急隊員の腰などにかかる負担が大きく、けがにもつながるリスクがありました。電動ストレッチャーでは、ストレッチャーの高さをボタン1つで調整が可能であり、救急隊員への身体的負担を大きく軽減できます。
また、安定した動作により傷病者に対して、より快適かつ安全な搬送が可能となります。
従来…傷病者の安全を確保しながら、あうんの呼吸でストレッチャーを操作
↓
導入後…人力による動作が大幅に解消され、救急隊員、傷病者の双方に大きなメリット
○INTERVIEW
消防署 岡部消防士
Q 電動ストレッチャーを使用してみた感想は?
A ストレッチャーの操作は複雑ではなく、とても簡単です。また、体格の大きな傷病者を搬送する際も安定し、出動時の不安がなくなりました。
■一人ひとりの意識が一刻を争う命を救う
救急車の適正利用
本市では約8万4千人の人口に対し、4台の救急車で対応しており、台数に余裕がある状況ではありません。そのような状況の中、令和6年の救急出動件数は過去最多の4,075件で、10年前と比較すると約1.5倍も増加しています。救急需要がこのまま増え続けた場合、必要な人が救急車を利用できなくなる可能性があります。もう一度救急車の適正利用について、一人ひとりが意識する必要があります。
○救急出動件数
○傷病程度別搬送者の割合(令和6年)
○実際にあった不適切な通報事例
CASE1…体に異常はないが、薬がなくなりそうなので病院に連れていってほしい
CASE2…病院が混んでいるので、救急車なら優先的に診察してもらえると思い通報した
CASE3…家に食べ物がないので買ってきてほしい
○ためらわずに通報してほしい症状の例
呼吸や心臓が原因と思われる症状
・息苦しい
・胸が苦しい
脳神経が原因と思われる症状
・手足や顔面のまひ
・会話の異常
・意識障がい
○緊急を要する症状の一覧
詳細は、本紙右記二次元コードで
○救急車を呼ぶ目安に!
症状の緊急度を素早く判定するアプリがあります
急な病気やけがをしたとき、該当する症状を画面上で選択していくと、緊急度に応じた必要な対応が表示されます。
※詳細は本紙をご覧ください。
問合せ:消防署
【電話】51-0885