くらし いわキラッ人

■こどもたちに 幸せになってもらいたい 祈りを込めて
正高(まさたか) もとこさん(絵本作家、読み聞かせボランティア)
皆さんは、こどものころに読んでもらった絵本を覚えているでしょうか?その温かな記憶を、自分が作り手となってこどもたちに届けている人がいます。絵本作家であり、また、読み聞かせボランティアとしての活動もしている正高もとこさんについて紹介します。
小さいころから絵を描くのが好きで、絵を描く仕事をしたいと思っていた正高さんでしたが、なかなかそのきっかけがありませんでした。子育てをする中で絵本を楽しむようになり、改めて自分のやりたいことを考えたとき、絵本を描きたいと強く思うようになり40歳のときに描き始めました。
描き始めたからいきなり本になるわけもなく、編集者に持ち込んでもこども向けの絵ではないなど、厳しいことを言われたこともありました。出版社は東京などの都市部に集中していて、編集者にもなかなか会うことができませんでした。それでも、1回や2回断られたくらいでは諦めない強い気持ちをもって、色々な出版社に粘り強く持ち込んでいき、ようやくそれが実を結んだのは描き始めてから4年後のことでした。
それから何冊も絵本を出すことができましたが、一つとして楽に出版できたものはありません。最近は、SNS等に上げる作家も少なくありませんが、こどもたちに届けるためには本にするのが確実だと、こだわりをもって取り組み続けています。
正高さんは絵本づくりのかたわら、読み聞かせやわらべ歌のボランティアも積極的に行っています。こどもたちの反応を直接見ることができるのが嬉しいし、季節に合った絵本がないとき、自分でこんな絵本を読み聞かせしたいなと思ったとき、それがまた創作のアイデアとなると言います。また、市内の色々なものに影響を受けていて、自然生態園の植物や中央公園の楠の木をスケッチをしたり、こどもが通っていた中部保育園や下寺保育園を舞台にした絵本も出しています。
忙しい世の中で絵本を通じて親子のコミュニケーションがとられ、こどもたちが幸せになってくれたら、そういう祈りを込めて、これからも絵本を作り続けていきます。