- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県
- 広報紙名 : 県政だより みえ 令和7年7月号
■平和を次の世代へつないでいくために
本年は、戦後80年を迎える節目の年です。県内における戦後生まれの人はおよそ9割となり、戦争を体験した世代から、戦争を知らない世代に悲惨な体験を直接伝えていくことが困難になりつつあります。また、世界には、今でも戦禍に巻き込まれて苦しむ多くの人がおり、今一度、私たちは平和と命の尊さについて考える必要があります。
県では、市町や関係団体などと連携し、県民の皆さんに戦争の悲惨さと平和の尊さを伝える取り組みを実施します。
戦争を経験された方々の記憶に触れ、平和への想いを次の世代につないでいくために、私たちの果たすべき役割について考えてみましょう。
■戦争体験者による証言
県内各地域の語り部12人による児童生徒向けの証言動画や、戦争体験者へのインタビューを県ウェブサイトで公開しています。
本紙では、証言の一部をご紹介します。
戦争体験者の皆さんの証言動画はこちら
「三重県 戦争体験者インタビュー」検索
・近藤(こんどう)賢次(けんじ)さん【四日市市】
昭和20年6月に四日市空襲に遭う。焼夷弾(しょういだん)※で自宅を失い、炎の中を家族で避難した。
・伊藤(いとう)弘子(ひろこ)さん【桑名市】
昭和20年7月に桑名空襲に遭う。焼夷弾※で自宅を失い、炎の中を姉妹で川へ避難した。
・亀山(かめやま)成彦(しげひこ)さん【伊賀市】
空襲などの直接的な被害は無かったが、連日空襲警報が鳴り、家の付近に弾薬を保管する穴があるなど、戦争の中で生活を送った。
・加藤(かとう)二三子(ふみこ)さん【紀北町】
空襲警報で雨の中を避難したことが原因で1歳の妹を亡くす。食料不足により母の聴覚が低下するなど、生活にも影響があった。
・亀井(かめい)カノンさん【津市】
昭和20年7月に津空襲に遭う。機銃掃射(きじゅうそうしゃ)※で大勢の方が亡くなる光景を目撃し、自身も機銃で狙われた。
・坂本(さかもと)照子(てるこ)さん【伊勢市】
昭和20年7月に宇治山田空襲に遭う。焼夷弾※の炎から逃げる際に家族と離れてしまい、一人で避難した。
※焼夷弾…ガソリンなどを詰めた爆弾
※機銃掃射…戦闘機が地上の目標物に機銃で連続して射撃すること
■被爆・戦争関係資料の展示
各博物館・資料館で、空襲や戦時中の暮らしの様子を、実物資料や写真パネルなどで紹介しています。
▽四日市市立博物館
学習支援展示「四日市空襲と戦時下のくらし」
場所:四日市市安島1-3-16
3階常設展「時空街道」内展覧処「白里亭」、3階ロビー、2階常設展(一部)
料金:無料
【電話】059-355-2700
期間:8月31日(日)まで9時30分~17時
※月曜休館(祝休日の場合は翌平日、ただし8月12日(火)は開館)
▽津市香良洲(からす)歴史資料館
場所:津市香良洲町6320
料金:無料
【電話】059-292-2118
期間:通年9時~17時(入館は16時まで)
※月曜(祝休日の場合は翌日)、年末年始休館
■平和の尊さを伝えるさまざまな取り組みを行います
▽三重県戦後80年事業
・県総合博物館(MieMu(みえむ))における特集展示(7月19日~8月24日)
・令和7年度三重県戦没者追悼式および戦後80年平和のつどい(8月1日 県総合文化センター中ホール)
※要事前申込(7月18日17時まで)
俳優紺野美沙子さんと松阪高等学校放送部による朗読「星は見ている」~原爆でわが子を亡くした父母らの手記より~ほか
・三重県と広島県の高校生による活動発表会(8月24日 伊勢市ハートプラザみその)
・沖縄「三重の塔」の苑内広場環境整備および戦没者慰霊式の開催(11月17日)
この他にも県内各市町で、さまざまな催しが行われます。
詳しくは「三重県 平和啓発」で検索
■知事メッセージ
戦後80年の平和と繁栄は先人の努力の賜物です。
筆舌に尽くしがたい戦争の実態と、戦争を止められなかった教訓、平和の尊さを次の世代に語り継いでいきましょう。
三重県知事 一見 勝之
問合せ:政策企画部 政策企画総務課
【電話】059-224-2009【FAX】059-224-2069【E-mail】[email protected]