くらし (広報津折り込み紙)人権だより(2)

■障がいのある人の人権について~誰もが暮らしやすい社会をめざして~
●合理的配慮ってなあに?
シロモチくん:ゴーちゃん、「合理的配慮」という言葉を知っているかな?
ゴーちゃん:知ってるよ!例えば、車いすを利用する人が、希望するお店に入れるように階段に簡易スロープを設置したり、視覚や聴覚に障がいのある人のために、筆談や手話を用いたりすることだよね。
シロモチくん:そのとおり!この4コマ漫画のように、階段があるために車いすを利用する人がお店に入れない場合、お店側が簡易スロープを設置すれば障壁はなくなるよね。お店や行政機関は、障がいのある人から社会の中にある障壁を取り除いて欲しいと求められた時には、負担が重すぎない範囲で対応することが義務付けられているんだよ。
こうした合理的配慮を提供するためには、障がいについての無理解・無関心をなくしていくことが大切なんだ。
ゴーちゃん:なるほど。せっかくお店に簡易スロープが用意してあっても、店員さんに理解や意識がなければ提供できないもんね。
社会の中でのさまざまな障壁を取り除いて、障がいのある人も暮らしやすい社会をつくっていくのは、私たちみんなの責任なんだね。
※詳しくは本紙をご覧ください。

●下記のグラフは市民意識調査の結果です
▽設問1 トイレ、エレベーター、スロープなど、街なかで障がい者が利用しやすい設備は、まだ不十分である

みすぎん:約85%の人は、街なかでユニバーサルデザイン※に配慮した設備はまだまだ不十分だと思っていることが分かるね。
※誰もが利用しやすいよう、あらかじめ都市や生活環境をデザインする考え方

▽設問2 障がい者に対する差別や偏見をなくすのは、社会全体の責任である

シロモチくん:約85%の人は、障がいのある人に対する差別や偏見をなくすのは、社会全体の責任だと考えているね。

●調査結果から見えてきた課題と今後の展望
ユニバーサルデザインのまちづくりは年々進展しつつあるものの、設問1の結果からまだ十分に整備されているとはいえないことが示されました。そのため、障がいのある人を含む全ての人がより暮らしやすく、より社会参加しやすくするために、バリアフリー化を含めユニバーサルデザインに配慮した施設や公共交通機関等の整備を積極的に進めていく必要があります。
また、設問2より、多くの人が障がいのある人に対する差別や偏見をなくすのは社会全体の責任であると考えていることが示されている一方で、津市障がい福祉総合プランの基礎資料として、令和4年度に行ったアンケート調査によると「合理的配慮」に関する市民の認知状況は「言葉は聞いたことはあるが、内容は分からない」と回答した人が32.5%、「言葉を聞いたことがない」と回答した人が53.6%となっており、合理的配慮についての理解不足が示されています。そのため、津市では障がいや合理的配慮の考え方について理解を深めるための啓発や、市民人権講座・人権講演会を開催するほか、広報津などを通して、障がいを理由とする不当な差別の解消に取り組んでいます。
障がいは特別なものではなく、病気やけが、加齢などで障がい者となる可能性は誰にでもあります。障がいの有無にかかわらず、誰もが社会参画を通してその能力を十分に発揮し、互いに人格と個性を尊重しながら共生する社会をつくっていきましょう。

■人権標語・人権ポスター入選者一覧
※詳しくは本紙をご覧ください。

令和7年3月16日発行
第19号

問合せ:人権課
【電話】229-3165【FAX】229-3366