- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県四日市市
- 広報紙名 : 広報よっかいち 5月上旬号NO.1668
■古代の寺院跡「智積廃寺(ちしゃくはいじ)」
市内には現存する寺院のほか、石碑などでかつて存在したことを示す寺院跡が多くあります。中でも最も古くに建てられたと考えられるのが、奈良時代の初めに現在の智積町にあった「智積廃寺」です。
智積廃寺は、1967(昭和42)年の東名阪自動車道建設に伴う発掘調査により、金堂(こんどう)、講堂(こうどう)、僧房(そうぼう)と想定される建物跡が、南北に一直線に並ぶ伽藍(がらん)配置で確認されました。また、建物の屋根に葺(ふ)かれたハスの文様の瓦、鬼瓦、鴟尾(しび)などのほか、寺院内で使われた土器も出土しました。調査以前にも、金箔を装飾したタイル状の仏像「塼仏(せんぶつ)」が出土しており、荘厳さ、華やかさを持つ寺院がこの地に存在していたことが分かっています。
この寺は、672年に勃発した古代最大の内乱「壬申(じんしん)の乱」で大海人皇子(おおあまのみこ)(後の天武天皇)に協力した地元の豪族が、朝廷から技術などの援助を得て建築した、との説があります。古代へのロマンが深まりますね。
現地には石碑や説明板があり、出土した瓦や塼仏は、くるべ古代歴史館(大矢知町)に展示されています。現地に立ち、また出土品を見て、古代の息吹を感じてみませんか。
問合せ:文化課
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