- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県四日市市
- 広報紙名 : 広報よっかいち 7月上旬号NO.1672
■詩人生誕の古刹(こさつ)「大日寺」
寺方町にある大日寺は、春には桜、秋には彼岸花が咲く参道の先にあります。市指定文化財「大日如来坐像」で知られていますが、作家で詩人の伊藤桂一の生家でもあります。
桂一の父は大日寺の住職でしたが、桂一が4歳のとき事故で亡くなり、桂一母子は大日寺を出て大阪、東京と居所を転々としました。しかし、父の実家の伊藤醬油が寺方町内にあったことや父自身も大日寺に葬られたため、本市と縁が切れることはありませんでした。
伊藤桂一といえば「静かなノモンハン」などの戦場小説で知られていますが、三好達治賞を受賞するなどし、詩人としても認められています。戦後復員し、川島町に滞在したことから生まれた「竹の思想」など本市を題材にした作品もあります。平成21(2009)年には、寺方町内にあった水車小屋にちなみ、市民団体による詩碑「水車」が大日寺内に建てられました。
平成、令和と時代は流れ、現在は醬油工場も水車小屋もありません。ですが、参道の緑が美しいこの季節、歴史ある大日寺を訪れて詩作に耽(ふけ)ってみませんか。
問合せ:文化課
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