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■鈴鹿8耐-余韻と追憶と-
今年の「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(鈴鹿8耐)は、ホンダ直系チーム「HondaHRC」が見事4連覇を果たしました。大会を通じて圧倒的な強さを見せての快挙でしたが、実は鈴鹿8耐の歴史の始まりは、ホンダにとってほろ苦いものでした。
1978年に開催された第1回鈴鹿8耐。ホンダが送り込んだのは、当時ヨーロッパ耐久選手権で無敵の強さを誇り、“不沈艦隊”の異名をとった最強マシン「RCB1000」でした。万全の2台体制で勝利が期待されましたが、その予想を覆したのが、当時アメリカで活躍していたチーム「ヨシムラ」の驚異的な速さ。それに翻弄されてか、RCB勢は決勝で全車リタイア、優勝はヨシムラの手に。従来の耐久レースの概念を一変させ、“8時間のスプリントレース”とも評される鈴鹿8耐の魅力が生まれた瞬間でもありました。
あれから47年。今、新名神鈴鹿パーキングエリアにRCB1000が展示されています(10月22日(水)まで予定)。
今年の鈴鹿8耐の余韻に浸りながら、約半世紀前の“熱い夏”に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
中野能成(なかのよししげ)(鈴鹿モータースポーツ友の会事務局)