くらし 特集 認知症とともに歩む~予防と共生社会の実現へ~

■長寿国として知られている日本では、認知症は誰もが直面する可能性のある課題です。認知症予防と早期発見、そして認知症の方を皆で支え合いながら共に生きる社会を実現するためのヒントを紹介します。

高齢者の増加に伴い、認知症の方は増加しています。生涯を通し認知症にかかる確率は50%と言われており、他人事ではなく、自分事として向き合うことが大切です。
認知症は、脳の病気などさまざまな原因により認知機能が低下し、日常生活に支障が出てくる状態をいいます。症状や進行は人によって大きく異なりますが、対応や環境に配慮することで穏やかに過ごすことができます。

出典:内閣官房認知症施策推進関係者会議(第2回)9資料
「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」

■QandA
Q認知症かどうか、どのように診断するのですか
A専門の医師による問診や検査、ご家族などへの聞き取りなどを組み合わせて診断します。
Q若い人でも認知症になるのでしょうか
A65歳未満で認知症が発症することを、若年性認知症といいます。働き盛りに発症することが多く、発見のきっかけとしては職場での気づきが多いと言われています。

■予防と早期発見のために
認知症における「予防」とは、「認知症にならない」ということではなく、認知症の発症や進行を遅らせるという意味です。健康的な生活習慣を続けることや、いきいきとした日々を過ごすことが予防につながります。

◆予防につながる生活習慣のポイント
○運動
ウオーキングなどの有酸素運動や歩く脳トレと言われているスクエアステップは、認知症予防に効果があると言われています。
・スクエアステップ

○社会参加
楽しい会話や笑顔は、頭を使い、心身を若く保つことにもつながります。老人クラブやサロンへ参加するなど、積極的に人や地域とつながりましょう。
・地域のサロン

○食事
栄養バランスの良い食事を規則正しく3食摂ることは、脳と体の調子を整えます。また、よく噛んで脳を刺激しましょう。
・栄養バランスの良い食事

※スクエアステップやサロンの詳細は「令和7年度版フレイル予防のすすめ」をご覧ください。

・フレイル予防のすすめ
※二次元コードは本紙をご覧ください。

◆認知症は早期発見・早期治療が大切
・早期治療により改善する場合がある
・症状の進行を遅らせる対策を立てられる
・症状が軽いうちに家族とこれからの生活について相談できるなど

▽あなたや家族がもしかして認知症かも?と感じたら、セルフチェックをしてみましょう。
・チェックサイト「これって認知症?」「わたしも認知症?」
※二次元コードは本紙をご覧ください。

▽認知症かな?と思ったらご相談ください
認知症の早期発見・早期対応を目的とした医療・福祉の専門チームです。
「お気軽にご相談ください」

鈴鹿市認知症初期集中支援チーム
月~金曜日(祝日、年末年始を除く)9時~17時
鈴鹿市社会福祉センター内(神戸地子町383-1)
【電話】367-7770

■共生社会の実現にむけての取り組み
本市は、誰もが暮らしやすいをまちを目指すため「認知症フレンドリーシティ鈴鹿」を宣言し、みんなが参画できる認知症施策を推進しています。

◇認知症サポーター養成講座
「優しい対応を広める」
認知症に対する正しい知識と理解を深め、認知症の人やその家族を温かく見守り、出来る範囲で支援をしていただく「認知症サポーター」を養成する講座です。
小・中学校や企業、地域の住民団体など幅広い分野で実施しています。

・認知症サポーター
※二次元コードは本紙をご覧ください。

◇「認知症フレンドリーシティ鈴鹿」パートナー
「暮らしやすいまちづくり」
認知症サポーター養成講座を受講し、行方不明高齢者等のための安心ネットワークへ登録するなど、認知症の人や家族が自分らしい日常生活をおくるための環境づくりの促進に取り組む事業者(企業・店舗)にパートナーになっていただいています。
※現在は市内22店舗

・認知症フレンドリーシティ鈴鹿
※二次元コードは本紙をご覧ください。

◇認知症カフェ(医療や介護の話ができるカフェ)・オレンジカフェ・おれんじルーム
「一人にしない居場所づくり」
認知症カフェは、物忘れが気になる方や認知症の方とその家族などの地域住民が、薬剤師や介護支援専門員(ケアマネジャー)などの専門職に、気軽に医療や介護の相談ができる集いの場であり、市内に13カ所の登録があります。
また、認知症の方とその家族を支援するボランティア団体である「チームオレンジ鈴鹿」が中心となって開催しているオレンジカフェや、認知症の本人同士、家族同士の交流を目的として開催しているおれんじルームがあります。

※認知症の方とその家族が、楽しくここでの時間を過ごしていただけるように開催内容を工夫しています。
・認知症カフェ
・オレンジカフェ
・おれんじルーム

◇認知症高齢者等安心見守りシール・保険
「緊急時の備え家族を支える」

[認知症高齢者等安心見守りシール]
行方不明になるおそれのある方の早期発見を目的とした支援ツールです。認知症高齢者の方が行方不明になったときに、発見者がシールのQRコードを読み取ることで、速やかに家族などに安否が通知され、早期発見や保護につながります。

[認知症高齢者等安心見守り保険]※補償金額(上限3億円)
認知症による偶然の事故により家族などが法律上の損害賠償責任を負う場合に、補償を受けることができます。
・誤って線路に落ち、電車を止めてしまった場合
・他人の財物を破損等させてしまった場合など

・認知症高齢者等安心見守りシール、見守り保険
※二次元コードは本紙をご覧ください。

◇行方不明高齢者等のための安心ネットワーク
「地域で見守る」
行方不明者の家族が、鈴鹿警察署に捜索願を提出した際に、情報配信を希望された場合は、鈴鹿市社会福祉協議会から登録事業者に情報配信します。登録事業者の皆さんには、早期発見のために可能な範囲で捜索に協力していただいています。

・行方不明高齢者等のための安心ネットワーク
※二次元コードは本紙をご覧ください。

■認知症の方が暮らしやすい共生社会を目指して
国の認知症施策推進大綱にある「予防」と「共生」を基に施策を実施してきました。令和6年1月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行され、認知症の方の思いを尊重し、実施することが示されました。
また、認知症に関する誤解や偏見を払拭するためにも、普及啓発も重要になると考えます。その一環としまして、9月21日(日)10時~16時に、鈴鹿ハンターショッピングセンターで認知症の普及啓発イベントを行う予定です。是非お立ち寄りください。
長寿社会課 課長 前川亘(まえがわわたる)

■今回の特集に関するご意見・ご感想は
長寿社会課
【電話】382-9886【FAX】382-7607【メール】[email protected]