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中上弘次(なかうえ・こうじ)さん なばり獅子フェス実行委員長
地元短野地区の獅子舞復活に携わり、現在は、短野獅子神楽保存会の会長を務める。実に7年ぶりの開催となる「なばり獅子フェス」復活の立役者のひとりでもある。

■みんなの力で最高の夜に
物心がつく前から、祭りになると地区の獅子舞のあとを追いかけていたものです。大人になったら自分も獅子舞をやるのが当たり前だと思っていましたが、後継者がいなくなり、途切れてしまっていました。
ある日、地区の集まりで、かつて獅子舞をしていた人が「祭りのとき、太鼓の音が聞こえてこやへんのは寂しいな」とぽつり。「どうや、お前ら、やってみやへんか」と声がかかり、先輩たちの記憶を頼りに仲間と復活させました。平成13年のことです。現在のメンバーは10代から70代までの14人。10月の秋祭りに向けて、8月から練習を始めます。大変というより、みんなで楽しめる場。私たちの姿を見て、ここ2年で3人もの仲間が加わってくれたんですよ。
コロナ禍を経て、ようやく開催できた獅子フェス。熱い獅子魂をもつ仲間をはじめ、ばりフェス実行委員や、書道や竹あかりの作品などで会場を盛り上げてくれた皆さん、そして協賛者のおかげで最高の夜に!市内の獅子舞は、もとは同じ系統でも、衣装や道具の飾り、舞の仕草や動きに、それぞれ特徴があって本当に面白い。自分たちと同じように、真剣に継承している人たちの姿に刺激を受け、胸が熱くなりました。
うれしかったのは、会場にたくさんの子どもたちの姿があったこと。昔の私が獅子舞にあこがれたように、子どもの頃から獅子舞に親しめる場をみんなで大切に残していきたい。そして、次の世代に受け継いでいってもらいたいと願っています。