くらし 中学校給食や市立病院など市の課題について意見交換 まちづくり懇談会QandA(1)
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- 自治体名 : 三重県名張市
- 広報紙名 : 広報なばり 令和7年11月10日号
市は、8月下旬、「まちづくり懇談会」を市内5カ所で開催。中学校給食の事業着手の延伸、市立病院の経営改善、行財政改革など、市の現状と課題を市民の皆さんと共有し、ご意見・ご提言を伺いました。
今号では、いただいたご意見と市の考え方をご紹介します。
■懇談会で市の課題を共有
名張市では、関西圏のベッドタウンとして人口が急増した時期を経て、現在は急速な高齢化が進み、社会保障費が増加しています。さらに、昭和後半から平成前半に整備した公共施設が更新期を迎え、学校施設の長寿命化やクリーンセンターの機器更新など、投資が集中する見込みです。
こうした状況を受け、昨年11月に「なばり新時代の大改革宣言」を行い、「名張市行財政改革プラン」を策定しました。合わせて、全国的に公立病院の経営が厳しさを増す中、市立病院の経営安定化を最優先とし、市民の命と健康を守る観点から、今年5月には、中学校給食の事業着手を、当面の間、延伸することを発表しました。
これらの課題を市民の皆さんと共有し、ともに人口減少社会を乗り越えるため、8月22日から30日にかけて、市内5カ所で「まちづくり懇談会」を開催。懇談会には延べ142人にご参加いただき、中学校給食の事業着手延伸に対し、早期実現を求める声が多く寄せられました。あわせて、市立病院の地方独立行政法人化、市の財政状況をはじめ、市政全般にわたり、さまざまなご意見をいただきました。
◆Q 中学校給食の実施を延伸したことで、若い人にとって魅力がないまちになっていっている。市は延伸に対し、いつまでに「やる」という具体的な目標を示してくれるのでしょうか。
◇A 中学校給食の実現に向けては、「なばり新時代の大改革宣言」以降も、さまざまな手法を検討してきました。市立病院の経営状況を含め、財政状況を見極めたうえで総合的に判断した結果、事業の着手を当面の間、延伸することとしました。
それでも、給食の実現は「何としてもやるべき事業」であるとの姿勢は変わりません。今年度中に、提供開始の目標時期を明示できるようにします。
◆Q 市民は中学校給食実現のために協力したいと思っています。企業食堂など、市民が参加できる具体的な協力の道はないのでしょうか。
◇A 企業の社員食堂については、工業団地も含め、提供可能な食数や余剰分の提供可否を把握するアンケートを実施し、活用の可能性を検討しました。しかし、実現に向けては課題が多く、現時点では難しい状況です。
方法としては、デリバリー方式などの手法も排除せず検討していますが、アレルギー対応の問題など課題もありますので、慎重に検討を進めます。
中学校給食の実現に向けては、引き続きさまざまな方法を検討するとともに、市民の皆さんと一緒に進められる取組についても考えていきます。
◆Q 命を守る大切な市立病院が独立行政法人化されます。今後、どうなっていくのか、とても心配です
◇A 市立病院は、10月1日、地方独立行政法人へと移行します。法人化の目的は、公立病院としての役割(二次医療や24時間365日の小児救急医療など)を維持しつつ、市の直営よりも経営の自由度を高めることにあります。
これにより、必要な人材の採用や医療機器の更新を迅速に行い、柔軟かつ機動的な運営を通じて経営改善のスピードを高めていきます。
◆Q 市立病院の法人化によって看護師さんが「公務員ではない」と扱われ、士気が下がってしまい、離職してしまわないかと心配しています。
◇A 法人化に伴い、病院職員は「地方公務員」から「法人の職員」へと身分が変わります。職員の不安解消のため、私(市長)が病院に出向き、説明会を複数回開催しました。移行にあたっては、身分の取扱い、給与、待遇について、当面は現行水準を引き継ぐことを説明しています。
なお、看護師の退職理由は、法人化そのものよりも、人員不足の中での勤務体制などへの不満が大きいところにあります。こうした課題を踏まえ、働きやすい環境を整えることを法人化の柱の一つと位置づけ、体制強化や業務の効率化などに取り組みます。
