- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県鳥羽市
- 広報紙名 : 広報とば 令和7年9月1日号
■タータン・チェックと魔女裁判
タータン発祥の地・スコットランドには、政府機関が管理する「スコットランド・タータン登記所」があり、タータンは柄のパターンごとに登録・管理されています。2025年2月、「Witches of Scotland(スコットランドの魔女たち)」という名称の新たなタータン・チェックが、正式に認定を受けました。
スコットランドでは、1563年~1736年まで施行された「魔術禁止法」により、大勢の女性が魔女と疑われました。「魔術禁止法」における魔女の定義はあいまいで、体にあるいぼ・ほくろ・あざなどが魔女である証拠とされ、告発された人々は、魔女裁判で有罪となり、処刑されたのです。
「スコットランドの魔女たち」と名付けられたタータンの配色や柄には意味が込められており、黒とグレーの色は「暗黒時代と、魔女と決めつけられ焼かれた人々の灰」を表し、赤は「犠牲者の血」を、ピンクは「当時も今も法律の書類を縛るのに使われているテープ」を表しています。タータンの糸の数にも意味があり、大きな黒い四角を形作る173本の糸は法律が施行された年数です。
2022年、スコットランド自治政府の首相は、魔女狩りで処刑された女性たちに正式に謝罪しました。首相は議会で、恐ろしい歴史的な不正義を認め、処刑された全ての人に謝罪すると演説し、動機の一部にはミソジニー(女性嫌悪)があったと述べました。
「今さら数百年前の故人の名誉回復をしても意味がないという声もありました。しかし、歴史に学ばない者は、また同じ歴史を繰り返します。これは今につながる話なのです」と、議会への請願活動などを続けたスコットランドの女性弁護士は語っています。
問合せ:市民課人権・市民交流係
【電話】25-1126