子育て 10月は里親月間です里親制度~あなたを待っている子どもたちがいます~

■「子どもたちのためにできること」を、考えてみませんか。
全ての子どもたちは、家族の愛情に包まれながら健全に成長し、明るい未来に希望を抱いて生活できることが望まれます。成長の過程において特定の大人との愛着関係を形成することはとても重要で、家事の手伝いや家族とのけんかなど「当たり前」のように思える経験は、大人になって自分の家庭を持ったときにも役立ちます。
しかし、児童虐待や保護者の不在など、さまざまな事情から、自分の家庭で生活できない子どもたちが、県内に約500人います。「里親制度」は、こうした子どもたちが1人でも多く家庭を経験できるよう、子どもを家族の一員として迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境のなかで養育する、「子どものための」制度です。

▽養育里親
保護者と生活または自立して生活できるようになるまでの一定期間養育する里親
※最短1日~原則18歳まで
▽養子縁組里親
養子縁組によって養親となることを希望する里親で、養子縁組が成立するまで養育する里親

そのほかに専門里親、親族里親があります。

▽登録までの主な流れ
(1)相談
里親センター糸(【電話】070-9281-9071)もしくは、南勢志摩児童相談所(【電話】0596-27-5143)で、里親の条件や手続きなどを説明します。
(2)研修・家庭訪問
基礎研修・登録前研修(3~4日間)や施設実習(2日間)、家庭訪問調査があります。
(3)登録
県の審査を経て、知事が里親として認定し、里親登録されます。

▽里親からのメッセージ
日本にはさまざまな事情で親と一緒に暮らせない子どもたちが4万人以上います。しかし里親は少なく、この地域では私を含めわずかな家庭だけです。
里親は血のつながりのない子どもを預かり、24時間365日寝食を共にします。子どもの命を守り生活する中ではさまざまな問題や苦労もあり、また喜びもあります。私たちは20年以上にわたり、多くの子どもたちを社会に送り出してきました。
里親として苦労もありますが、私たちと一緒に里親になってくれる勇気があるかたは、里親センター糸や南勢志摩児童相談所にご連絡ください。

▽元里子からのメッセージ
自分が初めて里親さんの所に来たのは小学2年の冬でした。
最初に来たときはどんな所かも誰なのかも分からぬまま、ただ不安でしかありませんでした。それに知らない人との生活もそうですが、一番は母と離れたさみしさがありましたし、里親さんの所に来る前みたいに殴られないかとかいろいろと先の不安もありました。
ですが実際に住んでみたら前の生活みたいに殴られなかったし、母親や母方の親戚となかなか会えないさみしさはありましたが、里親さんは私を本当の子どものように愛情を注いで育ててくれました。ちゃんと叱る時は厳しく叱ってくれましたし、褒める時はちゃんと優しく褒めてくれましたし、何かできたときは自分の事のように喜んでくれたりしました。
もちろんずっと一緒に住んでいると嫌なこともたくさんありましたが、前の生活のことを考えると、里親さんの所に来てよかったと思いますし、前の生活のままでしたら今の私はいないと思います。
本当にここまで育ててくれた里親さんには感謝しかありません。

▽里子からのメッセージ
最初、児童相談所の人たちに里親の方に引き取ってもらうと言われて不安が勝ちました。ご飯は食べさせてくれるのかとか、生活も厳しくなるのかとか。しかし実際に引き取ってもらい生活してみて最初にあった不安な気持ちはなくなりました。里親のかたたちは初めて見る自分に優しく接してくれて話も聞いてくれるし、ご飯もいっぱい食べられるし、不安とは真逆で安心して暮らせています。今の気持ちは、里親さんに引き取ってもらってよかったなと思っています。

■里親センター糸
里親センター糸では、里親について知りたい、里親になりたいかたの相談から、里親や里子への支援、里親同士のつながりづくり、里親制度の普及啓発などを市町や児童相談所と協働して行います。
場所:伊勢市倭町30-1(児童養護施設天理教三重互助園内)
【電話】070-9281-9071

■里親説明会(里セツ)
里親制度や里親体験談などを聞くことができる「里セツ」を毎月開催します。
里親制度に関心のあるかた、子どものために何かしたいと思っているかたなど、どなたでも参加できます。

■里親出前講座
より多くのかたに里親制度を知っていただくために、地域の会合や会社の研修など(参加人数は問いません)に出向いて、里親制度について無料で説明します。くわしくは、里親センター糸のホームページをご確認いただくか、里親センター糸まで問い合わせてください。

問合せ:健康福祉課子育て支援室
【電話】25-1184