文化 御浜町文化財だより Vol.1

御浜町には、令和6年4月時点で町指定文化財40件、県指定天然記念物3件、国指定史跡2件、国登録有形文化財1件があります。教育委員会ではこれらの文化財を保存、継承に取り組むため文化財調査委員と共に活動しています。
今回の広報から御浜町文化財調査委員より皆様へ、御浜町の指定文化財や御浜町に関わりのある身近な文化財について紹介いたします。

■Vol.1 緑橋
市木川河口部に旧緑橋があります。田んぼの稲を守る水門と、道路を兼ねたもので、大正7年に造られ、現在では三重県の近代化遺産となっています。昔の河口部は芦などが生える沼地(荒地)でしたが、徐々に田んぼとなっていました。しかし、台風時には潮が入り、米が採れないことが度々あったそうです。
片や道の状況は、明治30年代は木橋でしたが、これも度々流されたそうです。このようなとき、完成したそうです。明治42年、当時の山本光夫市木村長は三重県へ陳情し、尾呂志片川の森本丑太郎県会議員が私財を投げうっての努力で完成に至りました。
この工法は、全てが自動で電気もいらない構造となっています。台風時には高波で水門が閉まり、水門上流の水位が増すと、その水圧で水門が開くというものです。また、手ノミの石の欄干が貴重です。

文:御浜町文化財調査委員 清水 鎮一

問い合わせ:教育委員会(中央公民館)
【電話】2-3151