その他 紀宝の(珍)百景 見いつけた! その76

■水色のまばらな帯模様の羽を持つミカドアゲハ
(チョウ目アゲハチョウ科)
今回の珍百景は、「ミカドアゲハも舞い遊ぶ」と鵜殿ばやしの歌詞の一節にもなっている、水色のまばらな帯模様の羽を持つミカドアゲハというチョウをご紹介します。
ミカドアゲハは南方系のチョウで、日本では、紀伊半島南東部や中国地方の一部と四国、九州で見られますが、生息地が限られているチョウです。アゲハチョウ科のなかでも飛翔力が高く、樹木や花のまわりをめまぐるしく飛び回っていることが多いのが特徴です。
また、羽の裏にある紋の色が地域によって異なり、この地域では赤いものやオレンジのものが多い傾向があります。
町内では、神内地区や井田地区などで見られますが、特に多いのが鵜殿地区の烏うどの止野神社です。ミカドアゲハは5月初旬に発生し、境内のオガタマノキの葉を食べるため、その周辺を活発に飛び回っています。そのため、烏止野神社を取り囲む社叢林(しゃそうりん)と併せて、天然記念物として保護されています。