くらし すべての人を大切にするまちに―正しく知って、差別を見抜く力をつける―

■終戦80年に寄せて
今年、終戦から80年が経過しました。総務省の人口推計によると、総人口に占める戦後生まれの世代の割合が9割に迫ろうとしています。燃え上がる戦火の中、どれだけ多くの命が奪われたことでしょうか。戦後生まれの世代には容易に想像することが難しい、体験した人にしか分からない悲惨な戦争の実態があることでしょう。戦後80年を迎えた今、私たちは戦争を体験した語り部の方々から話を伺い、当時の様子について思いをはせながら、次の世代に伝えていくことが大切ではないでしょうか。

■日本被団協の声明
8月5日、広島と長崎に原爆が投下され80年を迎える前に、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が声明を発表しました。注目すべきは、声明の最後に「私たちの運動は国内外の多くの支援のおかげで持続してきました。この運動を次の世代のみなさんがさらに工夫して築いていかれることを期待します。私たちは、核兵器が人間とは共存できないことを、命ある限り訴えてまいります。国民と世界の皆さん、平和国家の道を確かにして人類の危機を救うため、ともに核兵器も戦争もない人間社会を求めてまいりましょう」(被団協8月5日声明文引用)と呼び掛けていることです。この訴えには、広島や長崎での原子爆弾投下という惨禍を二度と起こしてはいけないという思いと願いが込められています。このような活動を通じ、昨年ノーベル平和賞を受賞したことは、長年にわたる核兵器の廃絶などを訴えてきた成果であると考えられます。

■戦争を風化させないために
戦争は、最大の人権を侵害する行為であり、人々の生命、身体、財産、自由、精神的な健康など、あらゆる人権を奪います。
戦争体験世代や、戦争と戦時の生活を記憶している世代が少なくなっています。このような悲惨な体験を風化させることなく、その教訓を後世に継承していくために、戦後に生まれた世代がその思いを引き継いでいく必要があります。
このことから、市では昭和63(1988)年10月に、基本的人権の永久尊重と恒久平和の実現をめざした「ゆたかな草津人権と平和を守る都市」宣言をしています。この宣言を具現化するため、平和祈念のつどいや平和パネル展を開催し、戦争の惨禍を風化させることなく、後世に引き継いでいます。
いま一度「終戦80年」や「平和」について、身近な人と語り合い、考えてみてはどうでしょうか。

問合せ:人権センター
(大路二、キラリエ草津3階)
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