- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県甲賀市
- 広報紙名 : 広報こうか 2025年3月1日号
◆第346回 緩和ケアについて
緩和ケア内科部長 岡垣 哲弥(オカガキ テツヤ)
◇がんになるとどうなりますか?
日本では2人に1人は一生のうちがんになり、4人に1人はがんで亡くなります。がん全体の5年生存率は64%とされているので、がんの種類や病期で大きな違いはありますが、3~4割の方はそのがんでお亡くなりになります。がんになって一番大きくかわることは、人生の残り時間が限定されるということです。
◇がんになったらどうしたらいいですか?
限られた人生をどう過ごすかを考えることが大事です。「今後の治療・療養について患者・家族等と医療福祉従事者があらかじめ話し合うプロセス」をAdvavce Care Planning(人生会議)といいます。
◇緩和ケアってなんですか?
緩和ケアの目的は、苦痛の予防と軽減を図り、QOL(生活の質)を向上させることです。「がんになったときから、残りの人生をよりよく生きるためのお手伝いをする」ことです。終末期だけのものではありませんし、痛みの治療だけではありません。
◇緩和ケアと在宅医療
コロナ禍以降、在宅療養を希望する方が増えました。早期から訪問診療を開始することで、療養環境をととのえ、よりよく過ごすことのお手伝いができるようになります。安心して療養ができるようになり、急に病状が変化しても対応ができるようになります。
公立甲賀病院では、緩和ケア病棟を担当する医師が訪問診療を行っており、在宅医療と入院治療が切れ目なく行われます。早期から、緩和ケア・訪問診療を受けることにより、残りの人生をよりよくすごすことができると言えます。
◇緩和ケアの定義
緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族の痛み、その他の身体的、心理社会的、スピリチュアルな問題を早期に同定し適切に評価し対応することを通して、苦痛を予防し緩和することにより、患者と家族のQuality of Lifeを改善する取り組みである
問合せ:公立甲賀病院「地域医療支援病院」「地域がん診療連携拠点病院」「滋賀医科大学地域医療教育研究拠点」
【電話】0748-62-0234【FAX】0748-63-0588