- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県甲賀市
- 広報紙名 : 広報こうか 2025年4月1日号
◆第37回 頭痛について知っとこうか
副院長・脳神経内科主任部長 小河 秀郎
Q.頭痛の原因にはどんな病気がありますか?
頭痛を引き起こす疾患は多岐にわたり、命に係わる危険な頭痛から、慢性的に繰り返し起こり、生活や仕事に支障をきたすものなど様々です。頭痛は大きく一次性頭痛と二次性頭痛に分けられます。一次性頭痛とは、明らかな脳の障害がなく、頭痛のみを起こす疾患で、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などがあります。二次性頭痛とは、器質的脳疾患による頭痛で、くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍や髄膜脳炎などです。熱がある、麻痺などがある、強い頭痛が突然生じた、50歳以上で初めて頭痛を発症した、段々ひどくなっている、などの症状がある方は要注意です。
Q.1番多い一次性頭痛は?
最も多いのは、片頭痛です。典型的な片頭痛の診断基準は定められていますが、専門医に受診してやっと診断がつくケースもあります。片頭痛の社会的損失は非常に大きく、発作を減らすことで患者さんの生産性や生活の質の向上が見込まれます。
Q.頭痛の治療にはどんなものがありますか?
重要なのはまず発作頻度を減らすことです。痛いときだけ頭痛薬を飲んで我慢するということではむしろ頻度が増えることが知られており、月に4回以上頭痛発作がある場合は発作予防薬を使用することが推奨されます。近年CGRP関連抗体製剤という薬剤が使用可能になりました。月1回の皮下注射製剤で、やや高額ではありますが、劇的に効く方も多く経験します。今なお、新たな薬剤が開発中で、片頭痛治療は今後さらに大きく進歩することが見込まれます。頭痛でお困りの方は、まず何の頭痛なのかの診断を受け、より効果的な治療を検討されることをお勧めします。
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