健康 知っとこうか!公立甲賀病院

◆第40回 脳出血に対する早期対応について知っとこうか
副院長 脳神経外科部長 初田 直樹(はつだ なおき)

Q 脳の病気が疑われたら早く病院に行った方がいいの?
突然の麻痺や失語(言葉がしゃべりにくいなど)が生じた場合は脳卒中を疑います。脳卒中は血管が詰まる脳梗塞と血管が切れる脳出血、くも膜下出血に分かれます。脳の中に出血する病気が脳出血です。脳出血の多くは高血圧が原因で、微小動脈瘤が破裂して生じるとされています。突然の神経症状と、脳の中の圧が上がるため頭痛を伴うとされています。血圧が高いままであると再出血を生じ、更に症状が進みます。また、脳出血の中には高血圧以外の原因もあります。必要に応じて造影検査をして、早期に治療の方針を立てる必要があり、早期の受診が必要です。

Q 脳出血は手術をしなくていいの?
出血で脳に生じた損傷は改善できませんが、周囲への圧迫で状態を悪化させることがあります。出血の部位、大きさ、機能低下の程度、意識障害の程度から手術を行うかどうかを判断しています。以前は全身麻酔下で大きく開頭手術を行っていましたが、最近では小さく開頭して神経内視鏡を用いて血腫を取り除きます。局所麻酔と静脈麻酔で行えるため、高齢の方にも受けていただけます。出血は時間が経つと血液が凝固するため、一般的には手術は当日に行っています。

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