健康 やさしい健康講座 第188回

市民の皆さんの健康に関して、今回は亀岡市立病院の外科部長が、専門分野についてお話します。

亀岡市立病院 外科部長
吉井 一博(よしい かずひろ)
専門分野:消化器外科

■排便にもご注意を!
日本人の死因1位のがんの中でも増えてきているのが大腸がんです。大腸がんは2020年全国がん登録で罹患(りかん)数は1位、2020年人口動態統計で死亡数は肺がんに続いて2位です。大腸がんはある程度早期に発見し、治療すれば、進行がんでも治る可能性が高いがんです。しかし、大腸がんの症状は早期ではほとんどなく、また、診断するには大腸内視鏡検査(検査自体のハードルがやや高い)が必要で、早期発見が難しいのが実状です。
初期症状は排便習慣の変化(便秘や下痢)、下血(血便)です。日々の生活で排便状態に気をつけていただくことは、大腸がんをみつけるうえで大切なことです。進行すると、腹部膨満、腹痛、吐き気、嘔吐(おうと)など腸閉塞症状をきたしてからみつかる場合もあります。
大腸がんを早期発見するためには、まずは、便潜血検査をしてみて、陽性であれば、大腸内視鏡検査を受けられることを、お勧めします。血便は痔など肛門良性疾患が原因となることが多いですが、大腸がんの症状であることもありますので、血便が出たときは医療機関を受診して相談するようにしてください。