- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京田辺市
- 広報紙名 : ほっと京たなべ 令和7年8月号(No.951)
昨年11月のコラムで、「たまには国語辞書を開いてみては?」と紹介しました。それを思い出させてくれるドラマが、現在NHKで放送されています。タイトルは「舟を編む」。三浦しをんさんの小説を原作に、辞書作りに取り組む人々の情熱と日々の努力が丁寧に描かれています。
中でも印象に残ったのが、「右」という言葉をどのように定義するかというやりとりでした。皆さんなら、どのように説明されるでしょうか。私は思わず「靴下を最初に履く方」と考えましたが、これはあくまで個人的な感覚に過ぎません。ドラマでは、「南を向いたとき、西にあたる側」といった説明がされたり、主人公が「→」と紙に書いて示したりする場面があります。また、私の辞書を引くと、「北を向いたとき、東にあたる方向・位置」とあります。
こうした表現から、たった一つの言葉を、正確かつ客観的に定義することの難しさが伝わってきます。辞書作りは、膨大な時間と労力をかけて言葉に向き合う、地道で緻密な作業だと改めて感じました。
言葉は、人と人をつなぐ大切な手段です。そんな言葉に目を向け、辞書を片手に日々の会話で何気なく使っている言葉を丁寧に見返してみるのも良いかもしれません。
※市長コラム60秒動画は市ユーチューブで視聴できます。