くらし 《特集》5つの職種でワンチーム 地域包括支援センターの舞台裏(1)

高齢者が安心して健康に暮らせるように、介護・福祉・医療などさまざまな面から支えるための機関「地域包括支援センター」をご存じでしょうか。先月行ったLINEアンケートでは認知度が4割とあまり知られていなかったので、今号では同センターを詳しく紹介します。

■1日の流れ
~おはよう!今日も頑張ろう!~
8:30
9:00〔ミーティング〕毎朝、担当者間で支援が必要な人の申し送りを行います。
10:00~12:00〔訪問〕自宅を訪れて生活の様子や困り事を聞いて解決策を一緒に考えます。
・1人で3・4件訪問する日もあるよ。
・相談の電話が朝から鳴りやまない時もあるよ。
13:00~15:00
〔来所〕民生委員・サービス事業所の皆さんと協力し合って、地域の人のことを一緒に考えます。
〔地域の人との関わり〕顔なじみのある地域の人と話をする中で、日ごろの生活の様子を聞いたり、相談を受けたりしています。
15:00~17:15
〔人と人とのつながり。生きがいの場〕中庭の畑で地域の人と一緒に野菜作りをしています。
〔振り返り〕この日に相談があった人の今後の支援の進め方をチームで話し合い、明日に備えます。
~また明日も頑張ろう!~

■QandA
◇地域包括支援センターってどんな場所なの?
高齢者が安心して地域で暮らしていくために、心配事や悩みについて一緒に考え、サポートしていくところだよ。

◇どんな相談が多いの?
最近は認知症の相談が多いよ。

◇どういうタイミングで相談したらいいの?
今は困っていなくても、将来の不安や心配事の相談にも乗るので、気軽に相談してね。

◇どんな人が働いているの?どんなお手伝いをしているの?
5種類の専門スタッフがそれぞれの得意分野を生かして、ワンチームで地域の人を支えています。

■私たちが支援チームです
◇主任ケアマネジャー
~チームを導くリーダーです~
介護が必要になる前から、暮らしの心配事の相談に乗り、必要なサービスや専門家につなぎます。他のケアマネジャーのサポートも行っています。
担当者の声:本人の望む暮らしをチームで考えて達成できたときは、やりがいを感じます。また、今までできていたことができなくなり不安を感じていた人が、少しずつ努力を重ね、以前のようにゴルフや旅行を楽しめるようになったと聞くとうれしいです。

◇介護事務
~縁の下の力持ちです~
一人一人が使った介護サービスの費用を計算して、国などに請求しています。電話や受付の対応、書類の整理なども行っています。「縁の下の力持ち」として、みんなの仕事を支えています。
担当者の声:介護のサポートを必要とする高齢者や病気の方を、陰から支えられることにやりがいを感じます。また、利用者やその家族からいただくお礼の言葉は、窓口対応をしている私たちが一番先に聞くことが多く、それを担当職員に伝えられることがうれしいです。

◇ケアマネジャー
~あなたの生活をデザインします~
年を取ると、病気などで転倒しやすくなるなど、困り事が増えてきます。一人一人に合った地域活動や介護保険などの紹介を通じて、以前のように生活できるようサポートします。今より元気になりたい人の相談にも乗っています。
担当者の声:相談で関わった方が元気になり以前の生活に戻られるとうれしく、その笑顔を見るとやりがいを感じます。また、90歳代の方が元気になり、自分の意思で介護保険サービスを卒業されたことがとても印象に残っています。

◇保健師
~健康づくりのパートナーです~
みんなが元気に過ごせるように、自宅を訪問して話を聞いたり、体や心の相談に乗ったりしています。こどもから高齢者まで家族みんなの健康を守る仕事です。
担当者の声:身体や心の不調があり、日常生活に困り事を抱えていた方が、私たちの関わりを通じて少しずつ壁を乗り越えていく姿を目の当たりにするとうれしいです。

◇社会福祉士
~人と人をつなぐ架け橋です~
複雑な問題を抱える高齢者や家族の相談に応じて、地域のさまざまな関係機関や専門職へとつなぎ、支援者を増やしながら問題解決を図ります。
担当者の声:福祉の仕事は人の人生に関わる仕事で、正解がありません。もっとこうすれば良かったのかなと思うことも多々あります。ときには相談者から、厳しい言葉をかけられることがありますが、「あなたに話を聴いてもらえて良かった」との言葉をもらえると、この仕事を選んで良かったなと思います。