くらし 《特集》5つの職種でワンチーム 地域包括支援センターの舞台裏(2)

■〔New〕#01 短期集中!わくわくチャレンジプログラム 専門スタッフと一緒に自宅でできるトレーニングを考える
今年度実施事業所:田辺病院・リハロボセンター向日葵・特別養護老人ホームやすらぎの杜

今年度からスタートした「わくわくチャレンジプログラム(わくチャレ)」を紹介します。このプログラムは、自分の力で日常生活を継続したい人を対象に、3カ月間のトレーニングを積むことで、生活改善を図る短期集中の自立支援型のサービスです。ケアマネジャーやリハビリ専門職と一緒に、「3カ月後の自分が望む暮らし」を描き目標を立て、自宅で毎日できる無理のないトレーニングプランを作成します。

◇通所サービスでセルフマネジメント力を向上
市が委託する病院や施設に毎週1回通い、リハビリ専門職の面談を中心とした個別支援と集団トレーニングを受けることで、セルフマネジメント力の向上を図ります。地域によっては送迎可能な場合があります。

◇卒業後もフォローアップ
通所サービス終了1カ月後と3カ月後にリハビリ専門職が訪問し、セルフマネジメントの確認などを行うフォローアップがあり、自宅での正しいトレーニングや運動習慣をサポートします。また、「高齢者の居場所」として、健康体操などを行っている地域の公民館などにつなぐことで、いつまでもいきいきと過ごせるよう導きます。
なお、利用については、生活機能の低下がみられる人や要支援1・2の人など条件があります。興味がある人は、地域包括支援センターに問い合わせてください。

■取り組みのほんの一例だよ
◇#02 認知症初期集中支援チーム
医療や介護の専門職が本人や家族に話を聴き、必要に応じて医療機関の受診や介護サービスにつなぐ手伝いをしているよ。また、医療や介護につながっていない人、支援を拒否している人など、対応が難しいケースにも力を入れて支援しているよ。「もの忘れが増えた」「今までできていたことが難しくなった」など、もしかして…と思ったら、まずは相談してね。

◇#03 地域ケア会議
同じ地域で働くいろんな職種の人が集まって、みんなが暮らしやすくなるためのアイデアを出したり、交流を深めたりしているよ。

◇#04 声掛け・見守り訓練
地域の人たちと一緒に、認知症の人を見守るための練習をしているよ。
困っている人や気になる人に、どうやって声を掛けようかな。

■わくチャレ利用者に密着!
◆身体の痛みを楽にして外出を続けたい 「始めたばかり」のMさん(90)
わくチャレを知るきっかけとなったのは、ケアマネジャーからの紹介でした。ケアマネジャーが自宅を訪問し、生活環境や健康状態などを確認したところ、条件を満たしていたことから、わくチャレへ参加を決めました。3カ月後の目標に「身体の痛みを楽にして、外出を続ける」を掲げ、自宅で手軽にできるトレーニングを理学療法士と一緒に考えました。Mさんに意気込みを伺うと、「このプログラムに取り組んで、体力・筋力を維持したい」と力強く話してくれました。

◇初の通所がスタート
一週間後、送迎車で田辺病院を訪れ、利用者5人での集団トレーニングに参加しました。栄養士から健康維持のポイントを教えてもらった後、初回のため、歩行や片足立ちなどのテストを通じて現時点での筋力などのデータを収集しました。また、理学療法士と一緒に足上げなどの自宅で行う正しいトレーニング方法を身に付けました。翌日からはプランに基づき3カ月間のプログラムに励みます。

◆歩行時のふらつきの改善を実感 「折り返し地点」のFさん(89)
この日の参加者で最も行程が進むFさんを取材しました。今回で7回目の通所となり、プログラムの折り返しを迎えます。わくチャレの効果を伺うと、「歩くときにふらつきがあったが改善した」と話してくれました。プランに沿った自宅でのトレーニングは毎日欠かさず30分ほど続けているとのこと。「じっとしていられない性格なので、自宅周辺の水辺の散策路を毎日3千歩ウオーキングしている」「風呂・トイレ掃除や洗濯など身の回りのことは1人でこなしている」とトレーニング以外でも体を動かすことを意識しているからか、活力に満ちているように見えました。