くらし 都心のマンション 一つ屋根の下の家族

■人とのつながりを大切に
梅田シティヴィラアクトIIIに「ハウジングデザイン賞特別賞」

梅田の中心地からほど近い繁華街に立つ「梅田シティヴィラアクトIII」(堂山町)は、レンガ色の堅牢な造りが際立つ築44年の分譲マンションです。今年度、良質な都市型集合住宅を表彰する第37回大阪市ハウジングデザイン賞の特別賞に選ばれました。区分所有者も賃貸居住者もオフィス使用者も「一つ屋根の下の家族」をモットーにしたコミュニティづくりで、都心にありながらファミリー層も安心して住める環境を維持してきたことが評価されました。

◇月1回のカフェは大盛況
集会室で月に1回開かれるカフェ「和み茶館」を訪ねました。部屋幅いっぱいに設置された調理台は、2回目の大規模改修で工夫を凝らした自信作。入居者など約10人がボランティアで運営しています。卵サンドセット300円、トーストセット200円、卵もパンも品質にこだわり、コーヒーは豆からひく本格派。毎回100食は出る盛況です。
11時半の開店と同時に利用客が相次ぎます。入居する税理士事務所の女性はポット持参で5人分のテイクアウトを注文し、「毎月来ています」。昼過ぎには地域の人たちも訪れ、「ここでおしゃべりするのがいい。おいしいしね」。ベルギー出身のユージニ・バハルーさんも顔を出しました。約3年前に入居し、その後出産。ハロウィンやクリスマスには、自宅に近所の子どもたちを招いてパーティーを開いています。「楽しくてずっと住み続けたい」と話します。そんな一人ひとりに声を掛けるのが管理組合理事長の金原玉枝さんです。
金原さんは、完成と同時に入居し、23年前、初めて理事長になりました。周辺はバブル崩壊などを経て治安が悪化。マンションではトラブルが多発し、管理費・修繕積立金の未収も膨らんでいました。外部居住者の元へも副理事長らと足を運んで、2年がかりでほぼ回収を終えました。

◇入居面談から仲間づくりへ
併せて力を入れてきたのが入居時の面談です。「管理組合の基本は仲間づくり。入居面談から仲間づくりが始まります」と金原さん。仲介業者にも同席してもらい、誓約書に署名を求めます。誓約内容は改定を重ね、民泊禁止などもいち早く盛り込みました。厳し過ぎると言われることもありますが、「共生するためのルールです。守ってくれたら誰でもウエルカム」と話します。活動の原動力は、長く住んでいる「このマンションへの愛着」。「自分の住まいに愛情を持つことは大切だと思っています」
マンション内のリサイクルも、カフェと並ぶ名物行事です。「要らない人から要る人へ」をうたい、年に1回、使わない食器や衣類などを決められた場所に出し、自由に持ち帰ります。同じ仕組みの本棚も管理人室横に常設。エントランスの壁には居住者の作品を展示し、毎月作品を入れ替えます。一つ屋根の下、人も物もつながっています。
今年度の大阪市ハウジングデザイン賞には262件の推薦があり、北区では他に「ブリリアタワー堂島」(堂島2)が受賞しました。募集は例年4月から始まります。

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