- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府堺市
- 広報紙名 : 広報さかい 2025年8月号
戦争の記憶を風化させることなく平和への願いを次世代へとつなぐため、戦争を体験された方の体験談を連載します。
■第2回 久保照男さん
現在88歳。前堺市自治連合協議会副会長兼議長。
堺大空襲当時は西湊町に住んでおり、自宅で空襲の被害に遭う。「堺のことが好き。このまちに住んでよかったと思ってもらえるまちづくりをしたい」と地域のために幅広く活躍されている。
私が8歳の時、堺大空襲を経験しました。
7月10日、上空に約100機のB29(爆撃機)が現れ、花火のようにキラキラと光る焼夷弾(しょういだん)が降り注ぎました。母親に手を引かれ、自宅から西の浜(現在の府道34号線)辺りまで必死に逃げました。
御陵前の駅辺り、紀州街道を出たところで振り返ると、市役所の方まで一面焼け野原となり、残るのは蔵だけという光景を目にして、頭が真っ白になりました。
戦前から戦後まで続いた食糧不足は深刻でした。私は親に守られながら生きてきましたが、誰からの支えもなかった戦争孤児のことを思うと胸が痛みます。今だからこうして話せますが、当時の体験は思い出すのも辛いほど過酷なものでした。
次の世代には、戦争はどのような理由があっても決して起こしてはならず、平和を守るために皆で力を合わせる必要があると伝えたいです。
▽8月31日まで、YouTube(QRコード)でも体験談を視聴できます
※QRコードは、広報紙P.11をご覧ください。