文化 自然遊学館

■生きものだいすき!「ニホンマムシ」
◯毒は最強の武器?
ニホンマムシ(単に「マムシ」ともいう)といえば日本で一番有名なヘビではないでしょうか。ずんぐりした体形で、楕円形の斑紋があり、その中心にも濃い斑点があるので「銭型模様」ともよばれ、貝塚でも出会う身近な毒ヘビです。人々は警戒するとともに薬としても利用してきました。乾燥させたヘビの皮を「反鼻(ハンピ)」、胆のうを「蛇胆(ジャタン)」とよび、滋養強壮の漢方薬とされています。焼酎などに丸ごと漬ける「まむし酒」も有名です。
さて、ヘビが卵を産むことはご存じかと思いますが、マムシはそうではありません。「マムシは口からこどもを産む」などという迷信もありますが、おなかの中で卵をかえし、(備考)総排泄孔(そうはいせつこう)から直接ヘビを産みます。これは、生存率を上げるためだと考えられています。「毒」という最強の武器を持っているにもかかわらず、ずいぶん用心深い生き方ですね。
しかし、毒が最強の武器となるなら、毒を持った生きものばかりになっているはずですが、なぜそうはならないのでしょうか。それは、毒を持つことがとてもエネルギーを必要とするからです。毒を体内で作り、いつでも使えるように維持することは大変なことのようです。現に、毒ヘビよりも毒の無いヘビの方が体は大きいことがわかっています。武器を持たない人間がもつもの、それは知恵。毒を薬に変えてしまうのですから。
(備考)総排泄孔:便や尿などの排泄物や卵、精子などが体外に排出される出口(穴)のことです。

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