くらし 五国の現場から

■SCENES OF GOKOKU
県内各地で行っている県の主要施策の取り組みなどをクローズアップします。

◆SCENE1 県内のがん医療をリードする中核的病院の整備がスタート
県立がんセンター建設予定地(明石市)
老朽化などのため建て替えを予定している県立がんセンターの整備が始まりました。2027(令和9)年度に開院予定の新病院は、現在地に隣接する県立明石西公園の跡地に建てられ、患者への負担が少ないロボット支援手術など最先端の医療を提供するほか、難治性がんや希少がんにも対応。県内のがん医療をリードする中核的病院として、相談体制の充実や治療と仕事の両立支援の強化などにも取り組みます。

・7階建て、病床数360の新病院のパース図。
・4人部屋の病室。全てのベッドサイドに窓を設けるとともに、プライバシーが守られる療養空間に。

◆SCENE2 兵庫のパビリオンが一挙集結!
万博会場ギャラリーWESTなど(大阪市此花区)
県を丸ごと一つのパビリオンに見立てて地域の魅力を発信するひょうごフィールドパビリオン。5月26日から5日間にわたって計116のプログラム関係者が万博会場に集い、日替わりで地域の特色やSDGsの取り組みを発信しました。初日は23のブースが出展し、ワークショップや試飲など、趣向を凝らして魅力をアピール。県伝統的工芸品の赤穂緞通のブースでは、小島由美子さんが「どれも幸せを願う文様ばかりで、ハレの日にふさわしい敷物です」と解説しながらミニ織り機で実演しました。

・「絹のような滑らかな手触りが特徴です」と話す小島さんの実演に、海外からの来場者も興味津々。
・ステージでは、県立西脇高校の生徒たちが播州織のファッションショーを上演。
・ルアーを通じて加東市特産の釣り針をPR!

◆SCENE3 安全安心な新・城崎大橋が開通
城崎大橋(豊岡市)
5月31日、円山川に新しい城崎大橋が開通しました。旧橋は、老朽化に加え洪水時に河川が氾濫する危険があったため、県では2005(平成17)年に架け替え事業に着手。新橋は治水面や耐震面が向上し、安全安心で災害に強い橋に。また、大型バスが通れるようになったことで観光の盛り上がりにも期待が寄せられています。

◇新「城崎大橋」の効果
・安全安心の向上
橋脚数は22基から5基に。橋脚の間隔が広くなり、橋げたも高くなるなど治水面や耐震面が向上
・観光地の周遊性が向上
大型バスが通れるようになり、城崎温泉駅と玄武洞を結ぶバスの路線も新設

◆SCENE4 兵庫県×新潟県 これからの食と地域の未来を考える
豊岡市民会館、県立コウノトリの郷公園(豊岡市)
豊岡市と新潟県佐渡市は、それぞれコウノトリ、トキが国内で最後に姿を消した地で、野生復帰に向けて餌場となる田んぼで環境に優しい農業に取り組んできました。6月7日には、両県・両市の関係者が集い、生物多様性に配慮した環境創造型農業の価値や地域の未来を考える「環境創造型農業サミット」を開催しました。両市の小学6年生による環境学習の発表や生産者等の実践事例紹介などの後、両知事・市長が環境創造型農業を一層進めていくことなどを宣言。閉会後、参加者は県立コウノトリの郷公園で生き物調査をし、多様な生物が育まれていることを確認しました。

・トキにまつわるクイズ2で会場を盛り上げた佐渡市立行谷小学校の5人。共に登壇した豊岡市立田鶴野小学校の児童16人や観客は、解説に熱心に聞き入っていました。
・公園内のビオトープで生き物調査。

◇豊岡と佐渡の共通点
・国内最後の生息地 豊岡市のコウノトリ
1971(昭和46)年に野生絶滅、2005(平成17)年に試験放鳥開始。現在の野外個体数は446羽に
・佐渡市のトキ
1981年に野生絶滅、2008年に試験放鳥開始。現在の個体数は600羽程度に
・無農薬または減農薬で、冬季も田んぼに水を張るなど、餌となる生き物を育む環境創造型農業を実践
・環境創造型農業で栽培した米をブランド米として販売(豊岡市を含む但馬地域:コウノトリ育むお米、佐渡市:朱鷺と暮らす郷)。地元の学校給食に提供し、食育にもつなげている