くらし 新春対談 かわにしふるさと大使 30年後のミライへ(1)

■かわにしふるさと大使 奈良くるみさん × 市長 越田謙治郎

令和6年5月にかわにしふるさと大使に就任した奈良くるみさんと越田市長の対談が、奈良さんの母校である牧の台小学校で行われました。奈良さんが感じる川西の魅力やこれからの未来を担う子どもたちへの思いを語っていただきました

◇奈良くるみさん Kurumi Nara
川西市出身。テニスの四大大会であるグランドスラムのそれぞれで勝利を挙げ、平成26年に世界ランキング32位を記録。令和4年に引退し、現在は指導者として活動している。

◇越田謙治郎 Kenjiro Koshida
平成14年10月に当時全国最年少で市議に就任。市議と県議の各2期を経て、30年10月に市長に就任。令和4年10月に再選し、現在2期目を迎える。

◆どんなときも自分らしく
越田市長
奈良さんは現役引退後も、女子テニス国際大会日本代表のコーチを務めるなどご多忙の中、地元川西への愛を持ち続けてかわにしふるさと大使を引き受けてくださったことをうれしく思います。
奈良さんにとって川西はどのような場所ですか。
奈良さん
海外の街並みも好きですが、やはり川西は懐かしさがあってふるさとと思える場所です。山に囲まれながら良い意味で田舎を感じられるのが素敵だと思います。空港が近くて大阪市内にもすぐに行ける利便性の良さも川西のいいところですね。
越田市長
そうですね。自然を身近に感じられるのは川西の良いところですよね。
小学生の頃から全国大会などでたくさん活躍されていましたが、奈良さんの子どもの頃について教えてください。
奈良さん
運動をするのが好きで、休み時間は友達とドッジボールをしていました。持久走が得意で、小学校のマラソン大会では1位でした。
学校が終わったら江坂のテニスクラブに通っていましたが、テニス漬けにならないように書道などの習い事をしたり、友達と遊んだりしていました。大和のみはらし緑地で遊ぶのも楽しかったですね。
越田市長
プロ転向後も世界で活躍されていましたが、何か大切にしていたことはありますか。
奈良さん
ジュニア時代は、自分らしいプレーができていました。ですが、プロの世界では、自分より体の大きい選手が多く、体格の差を感じていました。今までにないものを追い求めないといけないと考え、苦しんだ時期がありました。だからこそ、自分自身を見つめ直し、他の選手にはない自分の強みを考え、気付けたので今思えばとても大事な時期だったと思います。そこから、何事も主体的にやっていこうと気持ちの切り替えができて、「最初の3球をしのいでからが勝負」という自分らしさを生かして頑張ろうと思えました。
越田市長
自分の強みを生かして、グランドスラム四大大会に出場されて、世界ランキング32位という成績を残されました。引退を決断した時の思いを聞かせてください。
奈良さん
実は引退する2年前に自分のモチベーションの維持が難しくなり、辞めようと思った時期があって。でもそのときは、まだ頑張り切れてないなと。納得できるまでやってから引退しようと決めました。自分のためというよりも、支えてくれた人のために頑張りたいと思い、そこからの2年間はがむしゃらにテニスに取り組みました。自分の中でもこの2年間は頑張ったなって思える期間でしたね。
毎日の練習や取り組みの積み重ねが、自分の納得できる形になって最後の大会に臨めたので、やりきった気持ちが強いですね。ずっと支えてくれた家族やチーム、周りの方々に感謝しています。


◇かわにしふるさと大使就任への思い
越田市長
昨年、奈良さんには、かわにしふるさと大使(以下、大使)に就任していただきました。川西市出身で活躍されている方が、今でもふるさとのことを大切に思ってくれていると感じることができ、うれしく思えた一年でした。
大使への意気込みを聞かせてください。
奈良さん
まず、川西市の大使に選んでもらえて本当にうれしいです。ありがとうございます。
川西は、自分にとって大切で、本当に素敵な場所。もっと周りに川西の良さを伝えていきたいと思っています。
大好きな川西の力になれるよう頑張っていきたいです。
越田市長
昨年5月にテニス教室のイベントを開催したときに、子どもたちのキラキラした笑顔をたくさん見ることができました。
子どもたちが奈良さんのようなアスリートとふれあう機会をつくることで、素晴らしいアスリートが川西から生まれるのではないかと期待しています。
奈良さん
私のテニス人生がスタートした場所でもある市民運動場で、テニス教室を開催できたことが感慨深かったです。子どもたちと一緒にテニスをして、子どもたちの生き生きとした姿や、元気に遊んでいる姿を見るとうれしいですし、パワーをもらえました。
子どもの頃からぜひスポーツをしてほしいと思います。テニス以外でも良いのでスポーツの楽しさを知ってほしいですね。
越田市長
市制70周年を節目に、かわにしふるさと大使を新たにつくりました。奈良さんにはかわにしふるさと大使として、川西市民を応援するために帰ってきてもらい、子どもたちに夢を与える活動に協力いただきたいと思っています。
市民が川西市出身者を応援し、出身者がふるさとを応援する。そこから新たに頑張ろうとする人が生まれる。そんな循環になることを願っています。