- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県川西市
- 広報紙名 : 広報かわにし milife 令和7年10月号
■地域でいつまでも暮らし続けるために
日本の高齢化率は29%を超えているといわれています。市では高齢化率が30%を超え、近隣自治体と比べても高齢化が進んでいます。いくつになっても自分の住む地域で暮らし続けるために必要なことや、外出支援など施策ができた過程などを学識経験者に取材しました。
令和5年市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査より
■地域の思いを形にする
市介護保険運営協議会 会長 吉岡健一さん
令和5年に市介護保険運営協議会の会長に就任。また、社会福祉施設で理事長を勤めながら、地域福祉や福祉サービスの組織論などについて講師として研修や講演会で活動中
◇地域の困りごとを解決する仕組み作り
川西市では、介護保険運営協議会・生活支援体制整備部会の中で、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、地域課題の解決をめざした仕組み作りについて話し合っています。
令和2年度から、「訪問型支えあい活動・外出支援」「介護予防ポイント」について、市の実情に合わせ、地域や関係機関と意見交換し、6年度には予算化し実施しています。
特に、地域の困りごととして課題である外出支援については、福祉だけではなく、地域における公共交通の観点からも仕組み作りを再検討し、7年度から事業を拡充しました。
◇必要とされる外出支援
地域で暮らし続けるために最も必要としているサービスは「外出の際の移動支援」でした。これは、坂が多い川西の土地柄が背景にあり、移動に困難を感じている人が多いからだと考えられます。
しかし、介護保険制度では、日常生活の困りごとまでカバーすることは難しいです。また、車での外出支援については、地域のボランティアでは立ち上げが難しいとされています。すでに実施している地域はありますが、活動者の人材確保や任意保険料など安全で継続的に活動するために課題を抱えていました。
課題解決に向けて、アイデアを出し合い、実現したからこそ、地域の実情に合った「かゆいところに手が届く」制度になったと思います。
◇これからがスタート
制度化されたことは大きな一歩ですが、これで終わりではありません。事業を進め、浸透させるためには、広く周知させることが必要です。
同じ目線でお互い理解すること、そして寄り添う気持ちを持つことが、地域で住み続けるために大切なことだと思います。
■知っていますか? 各地域で行われている地域活動を知りお得に活用できる方法を紹介します
◇一つのアプリでお得にポイントがたまる
介護予防・健康ポイント事業「笑顔ミライちょきん」
笑顔ミライちょきんでは、歩いて目標を達成したら毎月抽選で1,000ポイントがもらえる「健康ポイント」と介護予防につながる活動に参加することで年間で最高5,000ポイントがたまる「介護予防ポイント」があり、一つのアプリで参加することが可能。
介護予防ポイントは、「車両による外出支援」の他に、ちょっとした生活の困りごとを支え合う「生活支援」や「通いの場への参加」にポイント付与を行い、地域活動へ参加するきっかけやすでに活動している皆さんが継続できるよう後押しとなることをめざしています。
◇知りたい情報がすぐに分かる
福祉と医療の総合情報サイト かわにしサポートナビ(通称:かわナビ)
かわナビでは、介護保険サービス事業所や医療機関の他に、住民主体で活動している通いの場(カフェやサロンなど)や公民館での活動を掲載。
パソコンやスマートフォンで検索し、興味のある情報をクリックすると詳しい内容を確認することができます。
同サイトは「笑顔ミライちょきん」と連携し、介護予防ポイントが付与される活動を検索することが可能。
また、活動団体(グループ)は、かわナビに掲載することで参加者を募集することができます。
■市長メッセージ
◇助け合う地域づくり支えあいの輪
市長 越田謙治郎
川西市では、住民同士の助け合いによる多様な地域福祉活動が展開されています。中でも「訪問型支えあい活動」では、住民の自主的な支援活動から発展し、多くの地域で身近な困りごとの解決に取り組んでいただいています。
高齢化が進んでいる中、市では、市民が主体となる地域福祉活動がますます重要になっています。
医療や介護、障がい福祉などの行政の福祉サービスだけでは、対応しきれない生活の困りごとや制度の隙間にある課題も少なくありません。
特に、高齢者の買い物や通院など移動の課題については、一人一人ニーズが異なります。行政や公共交通機関だけでは解決が難しい課題だからこそ、住民に寄り添った地域福祉活動が不可欠です。
そこで、市は令和7年度から、地域団体などが実施する外出支援を対象に、車両の借り上げ料や有償ボランティア費用を補助する制度を開始しました。
この制度によって、今まで活動していた団体の活動がさらに活発化しています。新たに車両を借り上げ、地域内で外出支援のための定期便を運行する地域も生まれています。
このような『地域力』に裏付けられた活動こそ、市の大きな財産です。高齢社会における新しいモデルとして、今後も発展できるように行政としてもバックアップしていきます。
問い合わせ:介護保険課
【電話】072-740-1148