しごと 【特集】舞台裏が、僕らの表舞台(1)

開演を知らせるブザーが鳴る。次第に照明が暗くなり、観客の歓声を誘うように幕が上がる。ステージ上に灯されるスポットライト、ホール内に響き渡る音。この舞台上のすべての演出に携わっているのが、舞台技術スタッフです。今回の特集では、市内の文化ホールで行われる舞台を運営する団体「一般社団法人ネクストゼロ」と運営の一端を担うボランティア団体「丹波市立文化ホールオペレータークラブZERO-IV(ゼロフォー)」について紹介します。

■出演者と舞台スタッフで創り上げる丹波市ならではの舞台運営
「アマチュアアーティスト育成支援事業」のバンド・ピアノ・ダンス・和太鼓4ジャンルのフェスタは、ネクストゼロだけでなく、ZERO-IVや各実行委員会などとともに実施・運営している事業です。ZERO-IV会員自らが舞台を演出しサポートができるよう、連携を図りながら進めています。

◇[Introduction]一般社団法人ネクストゼロ
文化芸術活動や芸術鑑賞のニーズに応え、より高い専門性や技術力を発揮するため、令和5年6月、「一般社団法人ネクストゼロ」が設立され、令和6年4月から市のホール運営業務の委託を受けています。
令和2年2月に市が策定した「丹波市文化芸術推進基本計画」の基本方針や目標に沿った事業を展開し、市と当法人が協働し、市民参画の「丹波市ならでは」のホール運営や人材育成を行っています。

「これまで以上に質の高いサービスを」
私たちは培ってきた専門性や技術力を維持しながら、これまで以上に質の高いサービスを提供できるよう、ZERO-IVや利用団体とのコミュニケーションを密に図り、互いに知識や技術を共有しながら舞台運営に取り組んでいます。
また、ZERO-IV会員の知識の習得や技術力向上を目的に、研修の企画や運営をし、後継者の育成にも力を入れています。技術やノウハウの伝授だけでなく、舞台スタッフとしての基本的な知識や技術を習得してもらうなど、様々な内容を組み込んだ研修プログラムを実施しています。
代表理事 長井誠(まこと)さん

◇[Introduction]丹波市立文化ホールオペレータークラブZERO-IV
市および一般社団法人ネクストゼロが主催するオペレーター育成講座を受講した市民を中心とした、10代から80代の45人の有志によって構成される文化ホールスタッフのボランティア団体です。平成22年に、市内のそれぞれのホールで活動していた4つの団体が統合し、現在の姿になりました。市立文化ホールで行われる事業や舞台芸術などの推進につながる事業・行事に対して積極的に協力し、ステージオペレーターおよびフロア活動を通じた地域文化芸術の発展を目的に活動しています。

「名前に込められた2つの数字」
イタリア語で「熱意・熱心」を意味する“ZELO”から「ZERO(ゼロ)」、4クラブ統合して設立したことを意味する「IV(フォー)」という2つの数字が名前の由来です。私を含めメンバーのほとんどが、裏方の経験がない素人ですが、ベテランメンバーから多くのことを教えてもらってきました。舞台運営のサポートを通じて互いに切磋琢磨し、熱い気持ちを持って活動しています。

「演者とともに最高のステージ・舞台をつくる」
ホールを訪れ、幕が上がった舞台に目をやると、そこは華やかに彩られ、スポットライトを浴びた演者を見ることができます。イベント後、記憶に残るのは舞台上での出来事で、私たち裏方の存在を意識する人はほとんどいません。ですが、皆さんの思い出に残った最高のステージや舞台の裏側には、私たちが居ます。演者とともに1つの作品をつくり上げる経験は、この活動の大きな魅力です。
また、裏方や演者さん同士のここでしかできない特別な交流もあり、現場は芸能関係で使用されるような専門用語が飛び交うなど、非日常の世界が広がり、はじめはビックリするかもしれません。ですが、ここにいるメンバーは皆ZEROから始まりました。皆さんもぜひ、舞台の裏側の世界に足を運び、私たちと一緒に最高のステージをつくりませんか。
会長 吉良哲也(きらてつや)さん

◇BACKSTAGETOUR(バックステージツアー)
「アマチュアアーティスト育成支援事業」の4つのフェスタでは、普段見ることができない専門的な機材や舞台裏の動きを見学することができます。見学は講座受講の有無に関わらず可能です。詳しくは、市のホームページなどで随時お知らせします。

問合せ:アマチュアアーティスト育成支援事業実行委員会事務局(一般社団法人ネクストゼロ内)
【電話】85-3032