くらし 下水道のいま

普段の暮らしの中で意識することが少ない下水道。しかし、それはまちの衛生環境を守り、快適な生活を維持するために欠かせない重要なインフラです。
近年、都市部では道路の陥没事故が相次ぎ、インフラの老朽化が深刻な課題となっています。特に今年の1月に埼玉県八潮市で発生した陥没事故では、下水道管の破損が原因のひとつとされています。市は、こうした課題に対応するため、継続的な点検や維持管理を行い、安心して暮らせるまちづくりを推進しています。

■汚水はどのように処理されているの?
下水道管を通じて運ばれた汚水は下水処理場に運ばれます。まずは大きなゴミや砂を取り除く「一次処理」が行われます。
次に微生物の働きを利用して有機物を分解する「二次処理」が行われ、水が浄化されます。最後に塩素などで消毒を行い、環境に安全な形で河川や海に放流されます。こうした処理を通じて、汚水は自然に還り、水の循環が生まれています。

○汚水の流れ
・家庭から出た汚水は、下水道管へ流れ込みます。
・下水道管は、汚水が自然に流れていくように勾配をつけて埋没されていて、だんだん太く、深くなります。
・下水道管が深くなると、ポンプで汲み上げ、また高いところから流し込みます。
・下水処理場に送られた汚水は、さまざまな施設や設備できれいにされます。

(イラスト引用:日本下水道協会)
※詳しくは本紙をご覧ください。

■下水道施設はどれくらいあるの?
市が保有する下水道施設数は41か所あります。この施設数は人口が同規模の自治体と比較すると約10.3倍多くなっており、下水道管の長さも約3.2倍長くなっています。これは面積が広大で谷あいに多くの集落が点在するなどの地形的要因が影響しています。

・下水道について
くわしくはコチラ ※本紙の二次元コードを読み取りご確認ください。

▽下水処理施設数などの類似団体との比較

※宍粟市の下水道施設の数にはコミュニティ・プラントと呼ばれる小規模の下水(し尿)処理施設を含みます

▽全国の下水道使用料の分布

・全国平均…2,961円
・宍粟市…2,750円
・兵庫県平均…2,782円
・兵庫県最低団体…1,485円(芦屋市)
・類似団体(1~3万人の自治体)平均…3,040円
・兵庫県最高団体…4,950円(新温泉町) ※価格は税込み料金

■下水道使用料の水準は?
市の下水道使用料(水20立方メートルを使用した場合)2,750円は全国平均の2,961円や兵庫県の平均2,782円、類似団体の平均3,040円よりもやや低い水準です。令和5年度では経費回収率が94.9パーセントとなり、汚水処理にかかる費用が使用料だけで賄うことができず、市の予算から繰り入れを実施。今後、この赤字補填は増加が見込まれ、経営の改善が急務となっています。

■将来に向けて
令和7年3月に「宍粟市下水道経営戦略」が改訂されました。下水道事業を将来にわたって安定的に持続するための中長期的な計画がまとめられています。

・経営戦略について
くわしくはコチラ ※本紙の二次元コードを読み取りご確認ください。

■これからの下水道事業をとりまく経営環境は?
市の下水道普及率は97.5%で市民のほとんどが利用しています。今後も安定的に下水道を維持していくため、施設の更新や災害に強い施設の整備が必要になります。市は下水道事業全般のコスト削減や経営の効率化に取り組んでいますが、人口減少により、使用料収入が減少している状況からも、経営は大変厳しい状況です。下水道事業は、市民の下水道使用料金で支えられています。これからも安全な下水道をみんなで守りましょう。

問合せ:水道管理課
【電話】63-3129