くらし キラリ☆輝く 多可人 –Vol.230-

■18歳で行司の世界へ 努力が実を結んだ白足袋姿
行司十両格に昇進 木村秀朗(森安 朗)さん
「高校3年生の夏に、退学届を出して上京しました。」
当時高校3年生だった森安朗さんは、夏休みに、大の相撲好きだった義兄の平井秀和さんに連れられ、相撲を観戦。初めて見る相撲の魅力に引き込まれ、その足で高校に退学届を出し、東京へと1人旅立ちました。
「行司といっても、新弟子のうちは力士と一緒に生活するんです。一緒にご飯を食べて、雑魚寝して、集団生活の中で相撲のルールや所作を学ぶんです。」
行司名である木村秀朗の「秀」は、相撲の世界に飛び込むきっかけをくれた義兄・秀和さんからもらいました。
「東京の夜って寂しくて。最初の頃は帰りたいと何度も思いました。」
初めてのことだらけの中で、行司の道を突き進み続けた木村さんは、晴れて十両格に昇進し、今年1月の初場所に挑みました。
「十両格から、白足袋を履いて土俵に上がれるんです。それまでは裸足なんですよ。」
十両への昇進は、これまで見守り支えてきた家族や親族、関係者にとって、この上ない喜びでした。2月22日には姫路で祝賀会が開かれ、多くの人がお祝いに駆けつけました。
「よく頑張ってくれた。」
上京に猛反対したという父・義朗さんも、息子の晴れ姿に笑顔をのぞかせました。
「相撲の世界は華やかに見えるけど、中では大変なことがたくさんあります。それでも、土俵に上がって大勢の観客の中で力士が闘って行司が裁く。その楽しさ、魅力があるから続けたいと思います。」
今年は相撲協会設立100年の節目の年でもあります。
「ぜひ、実際に会場で相撲を観てください。その際には、声援をいただければうれしいです。」
さらに高みを目指して。
はっけよい!のこった!