くらし ふれあい

■「ビデオで学んだこと」
先日、人権のビデオで学ぶ機会がありました。
その中で、日本人の父とアメリカ人の母を持つ、タレントとしても活動しているSさんの話が心に残っています。インタビューの中で、相手が「日本語がとても上手ですね」と声をかけたことがきっかけになって、Sさんの語りが始まります。Sさんは「僕は生まれも育ちも日本なんです」と答えます。彼は日本で生まれ育って、日本国籍を持っている日本人です。
Sさんは肌の色が褐色で、いわゆる「黒人」の身体的特徴があります。そのために、いつも見た目から「外国人」と思われてしまうのです。「日本人」という言葉を、単に日本国籍を持つ人という意味だけでなく、「共通した外見を持ち、日本語を母語とする人」と考える人が多いのではないでしょうか。
そのため、Sさんのように見た目が「日本人のイメージ」と違うと、日本語が流ちょうであっても「外国人」として見られてしまいます。
Sさんは、「日本人というのはこういう見た目だという固定されたイメージがあって、その他を無意識に排除する意識につながってしまう」と語っていました。
インタビュアーの発言に悪意はなかったのでしょう。しかし、相手を褒めるつもりであっても、これが「無意識の偏見」となってしまうことがあります。見た目だけで日本人かどうかを判断するステレオタイプというもので、それによって本人が「対等に見られていない」と感じてしまうのです。
私たちにも、このような小さな言葉や態度の積み重ねが、気づかないうちに他の誰かを傷つけてしまっている場合があるということを、このビデオを通して考えさせられました。
見た目や言葉だけで人を判断せずに、その人の背景や立場を尊重する姿勢を大切にしていかなければならないと感じました。

問合先:人権啓発推進室
【電話】32-1389