- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県稲美町
- 広報紙名 : 広報いなみ 令和7年7月号
■地域の農業の担い手は
町長
今、米の増産の話が出ていますが、町内の営農組合の平均年齢は70歳という状況にあります。地域の担い手の見通しはいかがでしょうか。
大竹
昔は、60歳で会社を退職してから営農組合を手伝っていましたが、今は70歳まで会社で働く時代となり、なかなか人手が集まらない状況です。このままではこの先、誰が地域の農地を守っていくのか心配しています。
稲美町には町内はもちろん、周辺地域にも多くの消費者がいて、大きな直売所もあるのだから、住民の皆さんは地元で採れたおいしい野菜や米を買うことで農業を支えることにもつながるでしょう。また、町内の営農組合でも、都会の人に米作りを手伝ってもらって農業をするオーナー制を導入したりしているところもあると聞いたことがあります。
赤松
この度、町では地域計画を作られましたが、計画策定時のアンケートを見ると、後継者がいない農家もたくさんある中で、私の地域でも今後の担い手の問題を解決するために、営農組合を作ろうという話も出ています。やはり、地域の農地は地域で守っていくのが良いと思います。
町長
全国的にみると、企業や若い人がまとまった農地を借り受けて、地域の農地を守るというケースも出てきていますね。米の値段が上がって農家が生活できるレベルになれば、町内にもそういった話が出てくると思います。
本岡
また、担い手が少なくなる中で、今は、ドローンを使ったり、ほ場(※2)を大区画化したりして作業効率を上げていくことも必要ですね。また、町内には小さな土地改良区が数多くありますので、これからは土地改良区の広域化なども考えていく必要があると思っています。
(※2)農作物を栽培する場所のこと。
町長
現在、岡地区では、ほ場の大区画化とパイプライン化のための再整備を進めています。農地中間管理事業(※3)を活用し、担い手に農地を集積・集約化させることで、農家の負担も軽減されます。
(※3)農地の所有者から農地を借り受け、まとまりのある形で担い手へと貸し付けること。
■農業の重要性への理解促進
町長
今回、米の値段が上がったことで、一方では、農家の皆さんが赤字を出しながらも地域の農地を守り、米を作っていることを消費者の皆さんにもわかっていただくいい機会になったと思います。
今後、農業に対する理解を高めていくにはどうしたら良いでしょう。
赤松
稲美町は結構都会にも近いので、都会に住みながら農業をやってみたいという人を上手く巻き込んでいってはどうでしょうか。
野村
今、町内で有機農業の教室ができていますが、そこに参加する人も30代や40代の若い女性がとても多い印象です。それだけ、安全・安心な食に関心の高い人は増えてきています。
本岡
私の地元の土地改良区では、トライやる・ウィークの受け入れを行います。若い人たちに少しでも農業のことや水の大切さを知ってもらう機会になればと思います。
大竹
営農組合として、農業をするうえで必要な作業としてトラクターで道路を走ることもありますし、農地で草を焼くこともあります。また、町内には養蜂(ようほう)をしている農家もいらっしゃいますので、消費者の皆さんにも農業への理解をいただけたらと思います。
町長
本日は皆さん本当にありがとうございました。日本にとっても、稲美町にとっても、農業はなくてはならない大切なものですので、課題は多いですが、先祖から受け継いだ農業資源をしっかりと次の世代へ受け継いでいきたいと思います。
問合せ:産業課 農業振興係
【電話】492-9141