子育て 地域に学ぶ「トライやる・ウィーク」を終えて

●市川町教育長 岡本 敏樹
小学校5年生の「自然学校」と中学2年生の「トライやる・ウィーク」、この2つは兵庫県独自の体験活動であり、全国的に高く評価されているものです。ともに、学校内ではできない長期的な体験活動を通して、児童生徒の「生きる力」を育むことを目的としています。この「トライやる・ウィーク」は今年で28年目を迎えました。中には、親子2代にわたってトライやる体験、というご家庭もあるのではないでしょうか。
さて、地域に支えられたトライやる体験を通して、今年も生徒たちは貴重な学習をしました。勤労の意味、やりがい、そして厳しさも感じたことでしょう。自分自身について、また自分の将来について、見つめていく良い機会になったことと思います。
受け入れてくださった事業所の皆さま、校区推進委員の皆さま、準備と指導に当たった教職員の皆さま、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
さて、活動を終えた2年生の皆さん、トライやる・ウィークお疲れ様でした。いろんな方にお世話になりましたね。この体験を自分の糧として、今後さらに地域との関わりを深めてください。市川町を愛してください。そして、市川町を誇りに思ってください。

●市川町立市川中学校 校長 辻井 昭也
市川中学校では、道徳教育・キャリア教育を土台とした人づくりの推進によって生徒の「生きる力」を育み、その上で、人の役に立つ、他者や集団から認められるなどの経験を通して生徒の自己有用感を向上させていくことを学校経営の中枢に据えています。今年度は特に「自己有用感の向上」を重点的な取り組みと位置づけ、これを実現させるためには生徒が自らの強みや興味を理解して、それらを生かせる「機会と場」を設けることが肝要と考えています。そこで、教員間で共通理解を図り、「機会と場」を授業や学校行事、生徒会活動、学級活動などで積極的に取り入れているところです。
さて、6月2日より実施しました「トライやる・ウィーク」ですが、生徒たちは学校を離れて社会の一員としてさまざまな役割を担い、職場や利用者の方々の温かな評価に触れるなかで、徐々に「役に立てた、認められた」という成就感、そして自己有用感を得ていきました。「トライやる・ウィーク」は単なる職業体験ではありません。今や中学生段階での「キャリア発達」や「自己有用感の向上」に大きく影響する教育活動となっていますので、今後とも「トライやる・ウィーク」にご理解、ご支援賜りますようお願い申し上げます。
最後となりましたが、各事業所の皆さま、本事業に携わっていただきました推進委員をはじめとする関係者の皆さま、そして毎日、活動日誌に感想を書いてくださった保護者の皆さまに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

《事業所からのメッセージ》
●卒園生の成長した姿を見ることができ、よかった。一人一人職員にすべきことを尋ねながら、一生懸命活動に取り組んでいました。活動態度も礼儀正しく好感がもてました。
●生徒にとって、社会とつながれるきっかけになるので、継続して受けいれていきたい。
●園児にとって楽しい一週間になりました。中学生の受け入れをして今の中学生についても知る機会になりました。職員も逆に中学生への関わり方を学ぶことができたと思います。園児にどうやって接して良いのか不安もあったと思いますが、頑張って関わろうとする姿が見られ嬉しかったです。
●学校以外で生徒の成長を促すいい機会だと考えます。
●社会ルールや働くことの大切さ、厳しさを体験することは今後の学生生活において非常に大切になると考えます。また、地域にとっても有益な活動であるため、継続していただきたいと思っています。
●毎日、成長していく生徒さんたちに喜びを感じ、沢山のエネルギーをいただきました!

《生徒の感想》
●市川中学校2年生 岡本 純怜
この5日間を通して、仕事の大変さややりがいなど、普段では分からないことがたくさん感じられました。また、5日間、欠席することなく終われて良かったです。他校の人とも協力できたし、たくさんの人とコミュニケーションもとれました。実際に、訓練などをしてみて、消防署のみなさんは、毎日訓練をして私たちの生活を支えてくれているんだと感じました。キツいこともあったけれど、さらに根性が鍛えられて良かったです。貴重な体験をたくさんさせていただけて、あっという間の5日間でした。

●市川中学校2年生 山本 実夢
人と協力することの大切さを、改めて感じられました。自分一人だけではできないことを、人と協力することでできるといった場面が、多々ありました。楽しさや嬉しさも人と協力することで分かち合えたり、疲れも半減できたりと良いことが多くありました。また、人とのコミュニケーションについても学べました。接客や仕事をしている人たちと関わっていく中で、「こんなふうに接したらどうかな?」とか「こうやって話そう!」など、これまであまり考えなかったことも考えられるようになりました。

《保護者からのメッセージ》
●2年生保護者 井上 里江
「実りある トライやる・ウィーク」
息子は、ガソリンスタンドで洗車や掃除だけでなく、給油やオイル交換などの専門的な作業も体験させていただきました。責任ある仕事を任せていただき、自信につながったようです。また、スタッフの方々にたくさん話しかけていただき、「仕事をする上でコミュニケーションがとても大切だ」と気づけたようです。
子どもたちを温かく迎えてくださり、ご指導いただいた事業所のみなさま、本当にありがとうございました。

《-ありがとうございました-お世話になった事業所》
○(株)ホームセンターアグロ 福崎店
○ユニクロ 福崎店
○ベルヴィ(株)
○(株)荒木印刷
○繁乃家
○マクドナルド 福崎店
○学校給食共同調理所
○公立神崎総合病院
○FRAME WORK
○ao.hair.salon
○屋形こども園
○いちかわ西こども園
○いちかわ東こども園
○地域子育て支援センター
○いちかわ図書館
○市川ゴルフ
○姫路市中播消防署
○兵庫県福崎警察署
○自衛隊
○市川郵便局
○兵庫日産株式会社 福崎店
○(株)フジタ
○兵庫植物工場事業協同組合
○ゆうかり作業所
○特別養護老人ホームひまわり荘
○市川町観光協会
(順不同)

◆市川町教育委員会からのお詫び
生徒受入時にいくつかの事業所に対して連絡漏れがあり、受入をお願いできなかった事業所がありました。
ご迷惑をおかけしましたこと深くお詫び申し上げます。

《対象事業所》
○(有)藤本技工
○いちかわ園
○Villageによん
○森の泉 きっと
(順不同)