- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県新温泉町
- 広報紙名 : 広報しんおんせん 令和7年5月号 vol.236
■文化会館の役割
文化会館は、昭和53年に設立され、同和問題解決のための地域の拠点施設としてスタートしました。現在では、同和問題をはじめとする様々な人権課題の解決を目指し、人権啓発活動や人権学習会、住民交流会などに取り組んでいます。町民一人ひとりが、お互いの人権を尊重することが普通にできるまちづくりを目指しています。
■『令和7年度文化会館教養教室講座開講式』
文化会館では、毎年、住民交流を目的とした文化会館教養教室講座を開設していますが、今年度は、「着付け教室」「焙煎珈琲教室」「料理教室」「茶道教室」「生花教室」「つまみ細工教室」の全6教室を開講します。
文化会館の教養教室講座は公民館が実施している公民館講座とは目的が異なります。
公民館講座は、公民館という社会教育機関において、教養の向上、健康の増進、情操の純化を図るとともに、生活文化の振興と社会福祉の増進に寄与することを目的としていますが、文化会館教室講座は、人権啓発のための住民交流の拠点としての文化会館において、各種講座を通して住民交流を図りながら人権課題の解決に資することを目的としています。
4月4日(金)に、本年度の文化会館教養教室講座生51名を対象とした講座開講式を実施しました。
開講式では文化会館での教室講座の意義を全員で確認した後、「性の多様性~だれもが自分らしく生きられる社会をめざして」をテーマにした人権啓発ビデオ「バースデイ」を視聴し、本年度の教室毎の実施計画を話し合い、一年間のスケジュールを決定しました。
▽啓発ビデオの内容
性的少数者については、依然として社会理解が進まず、偏見や差別、配慮に欠けた対応などで、自身の思いや悩みを打ち明けることが難しく、周囲の無理解に苦悩し、生きづらさを感じている状況など様々な問題があり、深刻な人権問題になっています。
また、性的少数者であることを打ち明けられた家族や友人等は、既成概念による偏見や知識不足によって、理解しようと向き合う前に混乱や抵抗感にとらわれてしまうことが多くあります。
性の在り方は多様で一人ひとりの人権にかかわることであるため、性的少数者の存在や悩みに気づくことが大切です。
このビデオを性的少数者について理解するきっかけとし、その多様性を認め、お互いの人権を尊重することは、すべての人が自分らしく生きていける社会につながっていきます。そのような社会の実現を目指すことを目的としてこのドラマは制作されています。
■「人権が尊重されるまちづくり」をすすめよう
いま、私たちの身の回りには、同和問題やインターネットによる人権侵害、女性蔑視、子どもや高齢者への虐待、障がいのある人や外国人などに対する偏見、東日本大震災に起因する人権問題など、実に様々な人権課題が山積し、そして、それらの人権課題の根底には『偏見と差別意識』があります。
一つの課題について正しく理解し、気づき、具体的に行動していくことは、他の課題についても理解を深めることにつながります。私たち一人ひとりが、これらの問題を決して他人事とせず、自分自身のこととして受け止め、向き合うことが極めて大切です。
海に浮かぶ氷山は、水面上にあらわれている部分はごく一部であり、ほとんどの部分は水面下に沈んでいます。私たちの身の回りにある様々な人権課題は、ちょうど氷山の一角として水面上にあらわれている部分といえます。水面上の個々の問題を解決するためには、暖かい海水が水面下の氷を溶かしていくように、私たちのくらしのなかで人を思いやり、大切にし、お互いを認めあえるような暖かい人間関係を育み、心のつながりを持つことが必要です。
参照:兵庫県・兵庫県人権啓発協会人権啓発テキスト
問合せ:新温泉町文化会館
【電話】82-3328