- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県新温泉町
- 広報紙名 : 広報しんおんせん 令和7年8月号 vol.239
文化財に関わる新温泉町民の輪を広げ、また、子どもから大人までの幅広い年代の方に興味・関心を深めてもらうため、町内に数多く分布する文化財を隔月で紹介します。
■第16回海上傘踊
頭にかぶる形の笠、もしくは柄のついた唐傘を手に持ち、音楽に合わせて舞い踊る「傘踊り(笠踊り)」は、全国的に広く分布しています。踊りが始まった由来として「干ばつによる雨乞い」を目的として始められたとするケースがあります。新温泉町海上に伝わる「海上傘踊」も、江戸時代末期の干ばつに対し、降雨を祈願して舞われるようになったのが由来とされます。長さ約1.5メートルの傘に大小240以上の鈴が付けられ、踊り手は二人一組となって踊ります。同様の踊りは山を越えた鳥取県にも見られ、当時の厳しい環境のなかで何とかして生きようとする人々の強い思いが伝わります。
海上では、毎年8月14日に集落内にある牛峰寺の境内で傘踊りが行われます。勢いよく回される傘と鈴の音は五穀豊穣と祖先供養の想いが込められたものであり、昔から受け継がれてきたお盆の風景でもあります。
(昭和52年12月20日町指定文化財)
問合せ:生涯教育課
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