健康 診療所だより ― 山添村の皆さまへ ―


健診を受けたあと、「とくに症状もないし、大丈夫だろう」と思って健診結果をそのままにしていませんか?実は、こうした自己判断が、命に関わる病気を見逃す原因になることがあります。
健診の目的は、症状がまだ出ていない病気の“兆し”を早期に発見することです。つまり、「元気だからこそ見つかる」ことがあるのです。
症状が出てからでは、治療が難しくなったり、治療期間が長引いたりすることもあります。
私が昨年山添村に赴任して診療を開始した1年間でも、数人の方が一昨年の健診で異常を指摘されておりましたが、放置されていました。昨年に精査の結果、深刻な病状が判明しております。
まずは健診結果で「要医療」の判定が出た場合は、必ず医師の診察を受けるようにしてください。体調がいいから大丈夫と安易に自己判断しないでください。深刻な病気の多くは、症状が出た段階では治療が困難であることがあります。
がん検診等で「要再検査」や「要精密検査」と書かれていた場合、それは医療のプロが“念のため確認してほしい”と判断したサインです。そのままにしてしまうと、病気が進行してから見つかる可能性が高くなってしまいます。
私たち医師や看護師・保健師は、皆さんの健康を守るために健診結果を見てアドバイスをしています。「早く見つかってよかった」と言ってもらえるように、なるべく早く受診することをおすすめしています。
健康は、何よりも大切な財産です。定期的な健診を受けること、そしてその結果をしっかり確認し、必要な対応をすることが、病気から自分自身や大切な人を守る第一歩です。どうか、健診の結果を見たら、放置せず、気になる点があれば早めに医師の診察を受けてください。
「健診は、健康なときこそ受けるもの」
このことを、心にとめていただければと思います。

東山・豊原診療所 担当医師 吉川 健治