文化 しんぐりまくり/青面金剛薩埵菩薩立像(せいめんこんごうさったぼさつりゅうぞう)


場所:山添村大字助命(ぜみょう)
年代:不明
説明:助命の中央の高いところに100m余りもある高い石段がある八王子神社(はちおうじじんじゃ)があります。その昔、この石段には、時おり夕方になると、「しんぐりまくり」というあやしい妖怪が来て、しんぐり(竹で編んだ魚を入れるかご)をまくる(ころがす)ことがあるといって恐れられていました。そのしんぐりの中にはいたずら小僧が入れられているというのです。
この地方では、子どもがいたずらをすると、「それ、また、しんぐりまくりがやってくるぞ」といっておどかして子どもをおとなしくさせていたそうです。


場所:山添村大字箕輪(みのわ)
年代:江戸時代前期
説明:箕輪の庚申堂(こうしんどう)にあった仏像のひとつと推定されており、廃寺後三柱神社において管理されています。
庚申像(こうしんぞう)の製作がもっとも盛んであった江戸時代前期の作と推定されており、奈良盆地及び周辺山間地に存在している50数点の青面金剛薩埵菩薩立像(せいめんこんごうさったぼさつりゅうぞう)の内、最も秀作であるとされています。檜(ひのき)材を活かしたきめこまかい造仏は美術的にも優れる代表的庚申像のひとつです。
庚申とは、人に棲みついた三尸(さんし)という3種類の悪い虫が人の悪事をすべて天に報告に行くと言われています。三尸が活動する庚申の日の夜は、眠ってはならないとされ人々が集まって、徹夜で過ごす際の本尊として信仰されました。