くらし [人権コラム]人権作文集「くらしをみつめる子ら」から

今年も人権作文集「くらしをみつめる子ら」が発行されました。この人権作文集には、奈良県内の乳幼児のつぶやき(子どもたちのつぶやきを書き留めたもの)や小学生、中学生の作文が、計41作品綴られています。
家族や友達のこと、仕事のこと、戦争や平和に関すること、同和問題に関すること、ジェンダーに関すること等が綴られています。
そんな中で、普段、あまり考えていなかったけれど、そんなこともあるんだと再認識させられたことがあったので紹介します。
まず、1つめは、「ハーフ」という言葉についての作品です。「ハーフではなくダブルと考えている」という話は何度か耳にしてきましたが、今回はその視点ではありませんでした。「初めて会う人でも、顔を見ただけで、「日本とどこのハーフですか。」と聞いてくる。「僕は日本人じゃないのかな。」聞かれるたびにそう思う。」と綴られています。また、「日本人の持つハーフに対するイメージは恐ろしい。「ハーフは美しい」や「かっこいい」、「英語が話せる」などのイメージのせいで自殺を図った人たちが多くいるのが事実だ。」とも綴られています。そして、最後には、「人は、相手のことを知らず、知ろうともしないから傷つけてしまう。たとえ知らなくても、知ろうとすることが大事だ。僕はそう思う。」と綴られています。
次に、「感覚過敏」に関する作品も2作品掲載されていました。
その1つめは、友達の大きな声やたいこの音、ピストルの音などの大きな音が、本人にとってはすごくしんどくて、こわく感じるという「聴覚過敏」のことです。イヤーマフを着用することを決断し、学級の友だちに伝えたことで、周りの友だちが理解し、協力してくれるようになったという内容です。
2つめは、妹の嗅覚や味覚の感覚過敏の話です。自分や周りの人にとっては少しの違和感であっても、妹にとっては、そのことで、教室に入れなかったり、給食が食べられなかったりする。だけど、リモートを利用しながらみんなの協力もあって…という内容です。この作品の最後は、「今、世界には沢山の匂いであふれています。ありふれた匂いに苦しんでいる人がいるということを私は知ってほしいです。感覚過敏の人が正直に気持ちを伝えられるような社会にしたいです。その気持ちを聞いて、…、暮らしやすい世の中にしたいです。」と綴られています。

問合せ:教育総務課
【電話】0745-44-2210